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スポーツの政治利用とオリンピックとは?歴史とナショナリズム、国民栄誉賞授与などを考察

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今回の平昌オリンピックに関して、韓国、そして北朝鮮のオリンピックの場を政治利用しているという批判が出ております。

さらに、2大会連続金メダルをとった羽生結弦選手におめでとうと電話をかけた安倍晋三首相の行為を政治利用であるという声もネットでは湧いております。

そもそも、政治のスポーツ利用とはどんなものなのでしょうか?その歴史、ナショナリズムとの関係、国民栄誉賞授与やメダリストへの電話や、その効果についてまとめました

スポーツの政治利用とオリンピックについて

もっとも頻繁に指摘されているのは、1936年、ナチスドイツ主催のベルリンオリンピックです。

例えば、ヒトラーは、オリンピックをドイツ人を古代ギリシア人直系の子孫であることして、その正しさを誇示するため、さらにアテネ(オリンピックの発祥地)とナチスの第三帝国の文化的共通点を示す絶好の機会として捉えました。

そして、オリンピアの古代競技場で点火した火をベルリンに届ける、いわゆる「聖火リレー」を開催しました。

そして、一部の国の大会ボイコット運動は失敗し、大会は成功に終わりました。ナチス政権は、オリンピックを利用して、外国人の観衆や報道記者にドイツのポジティブなイメージを与えて、平和で寛容である、という偽装をすることに成功しました。

さらに有名なのが、モスクワオリンピックのボイコットです。

この大会は、ソビエト連邦の首都モスクワで1980に開催されましたが、その前年、1979年12月のソ連のアフガニスタン侵攻への抗議としての集団ボイコットという事態が発生しました。

当時は、冷戦下の世界状況であり、50カ国近くがボイコットしました。その国の一つが日本です。
ただし、この決定をしたのは日本国政府ではなく、日本オリンピック協会、JOCです。

涙ながらに抗議するレスリング選手の映像などが流れましたが、当時の緊迫した国際政治状況からしてやむなしという空気が支配的でした。

対照的なのが、イギリスです。英国オリンピック委員会は、イギリス政府がアメリカの不参加呼びかけの支持をしましたが、それを拒否して独力で選手を派遣しました。

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スポーツの政治利用とナショナリズムについて

スポーツには、プロフェッショナル、そしてアマチュアの違い、さらに個人競技、そして団体競技があります。どちらにしても、個人だけの努力でプレーが可能で、さらに競技力を増すことができるスポーツは限られており、施設の整備、競技会の整備、審判等の育成、さらにスポーツを統括する協会の管理が必要となります。そのためには当然、お金も必要であり、国などの補助も必須となる競技もあります。

このように、スポーツとは、一定の社会的な背景、さらに経済活動と密接に関係しており、その場合、当然、政治、との関わりは避けて通ることはできない、とも言えるでしょう。

その政治とスポーツの関わりとしては、民族の優秀性をスポーツでもしめそう、という姿勢なども指摘されます。例えば、ナチスドイツは、アーリア人の人種的優越性をドイツ人選手の好成績で示すため、大会前にスポーツを積極的に支援しました。

そして特にオリンピックなどの世界大会は、国代表として戦うため、勝者への称賛は、例えば、国旗の掲揚、そして国歌を流すことによって示されます。

そのような状況は、ナショナリズムの意識が発揚する場所であると危惧する人は今でも少なくありません。

今回の羽生結弦選手の2大会連続金メダルを取った直後に、著名なジャーナリストの江川紹子氏は以下のツイートを掲載しました。

テレビの人へ。「日本人スゴイ!」じゃなくて、「羽生選手すごい! 宇野選手すごい!」だから。
7:07 – 2018年2月16日

この書き込みは大きな波紋を呼びました。

その一つに、彼女の昔のツイート

羽生さん復調よかた(^O^)/それにしても、6人中3人が日本人ってすごい。ほかの2選手もがむばって →あるぞ!日本勢ワン・ツー 羽生&町田 実現なら史上2度目(スポニチアネックス) – Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141213-00000089-spnannex-spo …
15:45 – 2014年12月13日

をあげて、彼女の矛盾を指摘する人もいました。

この、日本人選手の活躍で日本がすごい、と思う感情に対する懸念を表明する人は彼女だけでなく、後を絶ちません。

それに対して、そのように思って一時的にいい気分になることまで人に指図されたくない、という反論も出ております。

これは、まさに人の心の問題であり、他人が指摘するようなことではないでしょう。

スポーツの政治利用について 日本政府の国民栄誉賞授与

スポーツの政治利用と頻繁に指摘されているのが、スポーツ選手への国民栄誉賞の授与です。古くは王貞治さん、最近では、サッカーのなでしこJAPAN、そして。レスリングの伊調馨選手が受賞しております。

このようなスポーツ選手の授与へは、政権浮揚のために使われている、などの批判が常につきまといます。

ただ、厳密な基準がない賞であり、その目的は、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること」
なので、メディアで見るスポーツ選手の活躍に対して国民が希望を与えられることも確かなので、授与も妥当性があると言えるでしょう。

そして今回の安倍首相の羽生結弦選手への電話が政治利用かどうか、ですが、その電話をしているシーンを動画として発信しており、さらに、ツイッターなどでも情報を発信しております。

これらの行為は、安倍総理支持者からしたら特に問題ないように捉えられるでしょうし、そうでない人たちには、嫌悪すべき行為と指摘される、ことも理解できます。

結局は、捉える人の心に答えがあるように思われます。

まとめ

スポーツの政治利用について、オリンピックでの歴史、ナショナリズムとの関わり、日本での国民栄誉賞授与と、首相のメダリストへの電話などを考察しました。

結論としては、政治利用かどうかは、受け取る人次第と言えるでしょう。

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