2025年11月2日、社会民主党(社民党)の副党首で衆議院議員(沖縄2区)の新垣邦男氏(69)が、沖縄県宜野湾市で記者会見を開き、党離党の意向を表明しました。新垣氏は党唯一の衆院議員であり、離党すれば社民党の衆院議席がゼロとなります。離党の理由として、「党勢拡大に限界を感じた」とし、特に福島瑞穂党首(参院議員、69)への衆院鞍替え(比例から小選挙区への移行)を提案したものの、党内で意見が一致せず、「これ以上1人で衆院議員を務めることが厳しい」と説明。10月31日付で離党届を党本部に郵送したと明かしました。 2 7 11
これに対し、社民党は即座に反発。11月4日、幹事長の服部良一氏名義で声明を発表し、離党届を「無効」と主張しました。理由は党規約違反で、離党届はまず所属する沖縄県連合に提出し、そこから全国連合へ上申する手続きが必要だったため、直接本部への郵送は無効と判断。加えて、新垣氏が会見前に党や県連に事前連絡せず、県連会議にも出席・説明を怠った点を「極めて残念」と批判しました。 5 13
11月5日、党は国会内で常任幹事会を開き、離党届を正式に返送する方針を決定。福島党首は会見で「慰留も含めて努力していく」「党勢拡大のために国会議員や予定候補を増やしましょう。色々な提案もしてきましたのに、なぜ分からない」と困惑を露わにし、新垣氏の主張に理解を示さない姿勢を強調。一方、服部幹事長は新垣氏の離党理由に「疑問」を呈し、党の最近の取り組み(参院選でのラサール石井氏擁立で政党要件維持)を挙げて反論しました。 0 1 4 6
この出来事は、社民党の前身・日本社会党結党80周年の節目(11月2日)と重なり、象徴的なタイミングとなりました。党は19日の全国幹事長会議で最終的な対応を議論する予定です。 2 11
社民党は1996年の結党以来、平和主義・人権擁護を掲げてきましたが、近年は支持基盤の縮小が深刻化。2025年7月の参院選では比例区でラサール石井氏を擁立し、得票率2%超を辛うじて確保して政党要件を維持しましたが、衆院では新垣氏1人のみ。党勢拡大の停滞が長年の課題です。新垣氏は党内で積極的に改革を訴え、福島党首の衆院鞍替えを「党の顔を衆院に置くことで知名度向上と議席確保につながる」と提案。しかし、党執行部は「全国的な講演会や企画で党勢を拡大すべき」とのスタンスで、具体的な合意に至らず対立が深まりました。 0 1 7
この対立は、単なる手続き問題ではなく、党の存続戦略の違いを象徴します。新垣氏の主張は「現実的な議席確保優先」(小選挙区での地盤強化)で、沖縄の基地問題に強い自身の強みを活かしたもの。一方、福島党首らの対応は「党の理念を守りつつ、分散型拡大」(全国的な草の根活動)を重視し、鞍替えを「比例のくせに」と皮肉る声も党内で出ています。これにより、新垣氏の離党は「党の未来を憂う改革派の離脱」として解釈され、党の「硬直性」を露呈。ネット上では「ブラック企業みたい」「退職届返送で笑える」との嘲笑が広がり、党のイメージ低下を招いています。 10
社民党の国会議員は参院2人(福島党首、大江康弘氏)のみで、組織は脆弱。新垣氏の離党は衆院での発言力喪失を意味し、予算委員会や沖縄関連法案での影響力がさらに低下します。党規約を盾にした返送は、法的には有効(離党は党の承認制)が、道義的には「慰留の名を借りた引き留め」と批判を浴び、党内分裂の火種に。福島党首の「なぜ分からない」という発言は、党執行部の「上から目線」を示唆し、地方組織(特に沖縄県連)との亀裂を広げる可能性が高いです。 1 6
また、タイミングが悪く、10月に村山富市元首相(社民党の精神的支柱)が死去した直後。党の「歴史的衰退」を象徴し、支持者離れを加速させる恐れがあります。一方で、党は「右翼政権(高市早苗政権?)下での人権・平和闘争」を強調し、離党を「残念だが前進の機会」と位置づけようとしていますが、説得力に欠けます。 13
社民党の支持率は1%前後で、野党再編の波(立憲民主党や国民民主党の動向)の中で孤立。離党騒動は「小政党の内ゲバ」としてメディアで取り沙汰され、X(旧Twitter)では「社民党の末路」「福島党首のワンマン」との声が目立ちます。新垣氏の沖縄地盤(基地反対運動の象徴)は党の独自性を支えてきましたが、離脱で党の「沖縄カード」が弱体化。全体として、党のガバナンス不全(規約遵守の形式主義)と戦略不在が浮き彫りになりました。
この騒動は、社民党の「縮小均衡」から「変革か崩壊か」の分岐点。党が真の党勢拡大策を示せなければ、歴史の傍流として終わるでしょう。
以下は、引用された一文: 「一…