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地球温暖化に意を唱える説明 氷河期がまた来るという説などを解説分析検証まとめ

地球温暖化に異を唱える主張の解説・分析・検証まとめ

地球温暖化(人為的CO₂増加による気温上昇)は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やNASA、NOAAなど科学機関のコンセンサスですが、一部で「温暖化は誇張」「自然変動」「氷河期が来る」などの異論があります。以下では、主な懐疑論科学的根拠・反証・最新データ(2025年時点)で検証し、客観的にまとめます。


1. 主な「温暖化否定・氷河期説」の主張と出典

主張代表的な発信者・根拠典型的な論点
① 温暖化は自然変動。CO₂は関係ない過去の気候サイクル(ミランコビッチサイクル)を強調「中世温暖期」「小氷河期」がCO₂抜きで起きた
② 地球は今、冷却に向かっている太陽活動低下(マウンダー極小期類似)「太陽黒点減少で氷河期が来る」
③ 氷河期は数千年以内に来る地球軌道変化(離心率・傾斜角)「次の氷河期は1,500〜50,000年後に来る」
④ 気温上昇は観測誤差・都市熱島効果気象台の設置場所問題「衛星データは温暖化を示さない」
⑤ CO₂は植物の肥料。温暖化は有益CO₂増加で作物収量↑「緑化(Greening)で地球は豊か」

2. 科学的検証(2025年最新データ)

① 温暖化は自然変動か? → NO。自然要因だけでは説明不能

自然要因現在の影響温暖化への寄与
太陽活動2008年以降「極小期」だが、放射強度はほぼ一定+0.05℃未満(ほぼゼロ)
火山活動2022年フンガ・トンガ噴火で一時冷却-0.1℃程度(一時的)
ミランコビッチサイクル現在は間氷期の後半次の氷河期は数万年後

IPCC AR6 (2021) + 2025年更新:
過去150年の+1.2℃上昇のうち、人為的要因(温室効果ガス)が99%以上を説明。
自然要因だけでは0.1℃未満の上昇しか説明できない。

結論: 「中世温暖期」は地域現象(北大西洋限定)で、全球平均では現在が過去2000年で最も高温(Marcott et al., Science, 2013; PAGES 2k, 2019)。


② 地球は冷却に向かっている? → NO。観測史上最高温を更新中

全球平均気温異常(NASA)
2023+1.18℃(歴代1位)
2024+1.25℃(歴代1位更新)
2025(1-10月)+1.30℃(過去最高ペース)

出典: NASA GISS, NOAA, Copernicus(2025年11月発表)
衛星データ(UAH, RSS)も同様に上昇トレンド(都市熱島補正済み)

太陽黒点減少は事実だが、太陽放射量の変動は±0.1% → 気温影響は0.05℃未満(Lean, 2017)。

結論: 「冷却説」はデータと矛盾。2025年もエルニーニョ+人為的温暖化で記録更新中。


③ 次の氷河期はいつ? → 数万年後。人為的温暖化でさらに遅延

研究次の氷河期予測
Ganopolski et al. (Nature, 2016)50,000年後(CO₂350ppm時)
Archer & Ganopolski (2005)CO₂が400ppm以上なら氷河期はスキップ

2025年CO₂濃度: 425ppm(Mauna Loa観測所、2025年10月)
人為的CO₂が数万年残留(化石燃料由来の炭素サイクル)
次の氷河期は実質的に阻止されている

結論: 「氷河期が来る」は正しいが、タイミングが誤解人為的温暖化が氷河期を遅らせている


④ 観測データは信頼できない? → NO。多重検証で信頼性高い

データソース補正済み傾向
陸上気象台(NOAA)都市熱島補正+1.2℃
海洋ブイ(Argo)深度補正+0.6℃(海洋熱含量)
衛星(UAH/RSS)軌道減衰補正+0.14℃/10年
氷床コア・樹木年輪プロキシ再構築過去2000年最高

2025年新技術: AI補正(Google DeepMind + NOAA)で観測誤差±0.03℃に低減。

結論: 「都市熱島」は補正済み。全データソースが一致


⑤ CO₂増加は有益? → 部分的に正しいが、全体では有害

影響内容
+ 緑化効果衛星観測(NASA MODIS):地球緑化面積+5%(1980-2025)
- 極端気象台風強度↑、熱波頻度×5(IPCC)
- 農業C3作物(小麦)は初期↑、高温で収量↓(+2℃で10-25%減)
- 海面上昇グリーンランド+南極で+20cm(1900-2025)、2100年で+1m超予測

結論: CO₂肥沃化は実在するが、高温・干ばつ・洪水が上回る純便益はマイナス(経済損失:GDPの2-3%/年、2100年)。


3. 懐疑論の背景と心理・社会要因

要素解説
情報バイアスYouTube・SNSで「氷河期が来る」動画が拡散(例: 2023年「太陽極小期」誤報)
政治的イデオロギー規制反対派が科学を「左翼の陰謀」と攻撃
認知的不協和「生活を変えたくない」心理 → 都合の良い説を信じる
メディアのフェイク「2025年ミニ氷河期!」見出し(根拠なし)

2025年X(旧Twitter)トレンド:
「#MiniIceAge」が一時トレンド入り → すべて太陽活動誤解(専門家が即反論)


4. 結論:科学的コンセンサス vs 懐疑論

項目科学的コンセンサス懐疑論の誤り
温暖化の原因人為的CO₂が主因自然要因のみ → 説明不能
現在のトレンド加速的温暖化冷却説 → 観測と矛盾
氷河期数万年後に遅延「すぐ来る」→ 誤解
観測データ多重検証で信頼性高都市熱島 → 補正済み
CO₂の影響純損失肥料効果 → 部分的に正しいが全体で有害

最終まとめ

「地球温暖化は存在し、人為的要因が支配的」
「次の氷河期は人為的CO₂で実質的に阻止されている」
「懐疑論は一部の事実(緑化、過去変動)を誇張・誤解したもの」

信頼できる情報源:

  • IPCC(ipcc.ch)
  • NASA Climate(climate.nasa.gov)
  • NOAA(noaa.gov/climate)
  • 気象庁(jma.go.jp)

注意: 科学は「100%」ではないが、確率論的コンセンサス(97%以上)があり、政策はリスク回避が合理的。

2025年11月14日現在、地球は観測史上最も暖かい年を更新中
氷河期を待つより、適応と緩和が急務です。

katchan17