これは2025年11月17日付中国新聞が報じた、広島県のカキ養殖で発生している大規模へい死事件の続報です。
ポイントまとめ(11/17時点の県発表内容)
- 被害は当初報道されていた呉市沖・豊町沖など一部海域だけではなく、広島県内ほぼ全域(安芸灘・瀬戸田・竹原・大竹など)に広がっていることが確認された。
- 県水産課・水産試験場が実施した現地調査と養殖業者への聞き取りで、へい死率は場所により30〜90%に達する極めて深刻な状況。
- 主な原因として県は「高水温+高塩分による生理障害」をほぼ確定事項として見ている。
- 2025年夏〜秋の異常な高温(海水温が場所により29〜30℃台が長期間継続)
- 少雨による淡水流入の減少→塩分濃度が異常に高くなった(35〜37psu超の場所も)
- カキ(特にマガキ)は水温28℃以上かつ塩分35psu以上が同時に長期間続くと、えらや心臓に障害を起こし急死する(既存の研究でも確認されている現象)
今後の予想(2025-26シーズンへの影響)
- 出荷量は前年比4〜6割減になる可能性が高い
→ 広島県のカキ生産量は全国1位(約2万トン/年)。今年は1万トンを大きく割り込む公算大。 - 価格高騰は確実
→ 11月下旬〜12月の初物相場はすでに平年の1.5〜2倍で取引されており、年明け以降も高値が続く見込み。 - 他県(岡山・愛媛・兵庫など)も同様の被害が出始めている
→ 瀬戸内海全体の問題になりつつあり、全国的なカキ不足→外食産業(牡蠣小屋・居酒屋など)への影響も出る。 - 県・国は緊急対策を検討中
- 養殖業者への補償(災害級の扱い)
- 種苗の緊急確保(他県からの調達や陸上養殖種苗)
- 来年度以降は耐高温品種や深場吊り養殖への転換が本格化する見込み
要するに、2025-26シーズンは「カキが非常に高くて、しかも食べられない店が増える」年になる公算が極めて高いです。
年末年始にカキを食べる予定の方は、早めの予約と予算上乗せを覚悟した方が良さそうです。
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