鈴木宗男のロシアでの最新動向
自民党の鈴木宗男参議院議員は、2025年12月25日未明に羽田空港からロシアへ出発し、26日にモスクワに到着しました。これはロシアのウクライナ侵攻開始以降、鈴木氏にとって3度目の訪ロであり、高市早苗政権発足後では自民党議員として初めてのロシア訪問となります。出発前に高市首相や茂木敏充外相と面会し、「日本の正しい考えを伝える」との意向を示していました。
到着後、鈴木氏はロシア外務省のアンドレイ・ルデンコ次官やミハイル・ガルージン前駐日大使らと面会。主な議題は以下の通りです:
- 北方領土の墓参再開: 北方領土の元島民らによる墓参が中断されている問題について、2026年の再開を要請。鈴木氏はこれを優先事項として挙げ、ロシア側に強く訴えました。
- ウクライナ情勢: 停戦に向けた意見交換を行い、鈴木氏は早期停戦の必要性を主張。一方、ロシア側は日本が「敵対的な立場」を改めなければ二国間関係の回復は難しいと指摘しました。鈴木氏は自身のブログで、「旧知のロシア高官らからモスクワ訪問を評価された」と記しており、ワーキングランチ形式でウクライナ情勢の説明を受けたことを明かしています。 28 29 30 35
この訪問は、日ロ関係が侵攻以降で最悪の状況にある中での試みとして位置づけられています。鈴木氏は過去に維新の会から除名された経緯があり、親ロシア的な姿勢で知られますが、自民党移籍後初の訪ロとして注目を集めています。X(旧Twitter)上では、批判的な声(例: 「ロシアの犬」「売国行為」)が目立ちつつ、一部では「外交パイプとして重要」との意見も見られます。 0 1 7
今後の展望分析
鈴木氏の今回の訪ロは、日ロ関係の微妙な改善に向けた一歩となり得る一方で、国内外の政治的リスクを伴う可能性が高いです。以下に主なポイントを分析します。
肯定的な展望
- 日ロ関係の橋渡し役: 鈴木氏は長年ロシア政界に太いパイプを持ち、プーチン政権との信頼関係を維持してきました。北方領土問題では、安倍政権時代に進展が見られた経緯があり、墓参再開が実現すれば、人的交流の回復につながる可能性があります。また、ウクライナ停戦を訴える姿勢は、トランプ米政権の影響下で国際的な和平交渉が進む中、日本独自のルートとして機能する余地があります。特に、2026年以降のエネルギー協力(サハリン2プロジェクトなど)や経済関係の再構築で、鈴木氏の役割が再評価されるシナリオは考えられます。ロシア側も、鈴木氏の訪問を「関係回復のシグナル」として肯定的に報じており、相互利益の余地は残っています。 28 36
- 国内政治的影響: 自民党内では、鈴木氏の親ロシア路線が党の多様性を示す武器になる可能性。自民党が2025年の参院選で苦戦した文脈で、北方領土や平和外交をアピールすれば、保守層の支持を固められるかもしれません。高市首相の了承を得ての訪問は、政府レベルの暗黙の支持を示唆します。
否定的な展望とリスク
- 国際的孤立の懸念: 日本はG7の一員としてロシア制裁を継続しており、鈴木氏の行動は政府方針と矛盾する恐れがあります。ウクライナ支援を重視する欧米から「ロシア寄り」と見なされ、日米同盟やQUAD(日米豪印)枠組みに亀裂が入るリスクが高いです。特に、停戦訴えがロシアのプロパガンダに利用されやすい点は問題で、過去の鈴木氏の発言(侵攻を「ロシアの自衛」と擁護)が再燃する可能性があります。X上の反応からも、国内世論の反発が強く、売国奴扱いの声が広がっています。 3 11 38
- 限定的な影響力: 鈴木氏の訪ロは象徴的ですが、北方領土返還や停戦の実現はプーチン政権の姿勢次第。ロシアは日本に「敵対解除」を要求しており、制裁解除なしに進展は見込めません。2026年以降、ウクライナ情勢が膠着すれば鈴木氏の役割が増す一方、侵攻が長期化すれば国内批判が強まり、自民党内での孤立を招く恐れがあります。過去の維新除名のように、党派を超えた反発が再び起きる可能性も。
- 全体的見通し: 短期的に墓参再開のような小規模進展はあり得ますが、大局的な日ロ関係改善は難航するでしょう。鈴木氏の行動は「個人外交」の域を出ず、国益に直結しない場合、2026年の政局で逆風になる可能性が高いです。ロシアの経済苦境(制裁影響)を利用した交渉が鍵ですが、日本が主導権を握るのは厳しく、むしろロシアの影響工作の道具として利用されるリスクを警戒すべきです。
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