公明党の政策が「中国に忖度している」との指摘は、保守層を中心に長年根強いものです。これは、党の歴史的経緯、支持母体である創価学会の外交姿勢、連立与党としての現実政治のバランスが絡み合った結果です。以下で、事実に基づき解説します。なお、この見方は主観的要素を含むため、党の公式立場(平和外交の推進)と批判(過度な配慮)を両面から整理します。
公明党は1964年の結党以来、中国共産党との関係を重視してきました。最大の転機は1971年の党単独訪中と、1972年の日中国交正常化です。当時、周恩来首相が池田大作創価学会名誉会長(当時会長)と会談し、創価学会の「日中友好」活動を評価。これにより、公明党は野党時代から中国とのパイプ役を担い、正常化交渉の環境整備に貢献したと自負しています。 25 この歴史が、党のDNAに「対中融和」の基調を刻み込みました。以降、歴代党首(竹入義勝氏ら)が中国指導者と会談を重ね、習近平国家主席時代も山口那津男前代表が親書を携行して訪中するなど、対話路線を維持しています。 26
創価学会の影響も大きいです。学会は1960年代から中国留学生受け入れや文化交流を推進し、「親中団体」として知られています。周恩来が学会を「民衆の声」として信頼したエピソードは、党内で神話化されていますが、中国側はこれを「布教禁止の条件付き友好」と位置づけ、学会の「片思い」批判も出ています。 35 結果、公明党の外交は「日米同盟基軸+中国対話」を掲げ、人権問題でも「懸念共有」にとどめ、欧米並みの制裁を避ける傾向があります。 23
公明党の行動が「忖度」と見なされる主な事例は以下の通りです。これらは、党の平和主義(核廃絶・人権尊重)と連立の現実(自民党の対中強硬派との調整)が交錯したものです。
X(旧Twitter)上でも、こうした事例が批判の的です。例えば、「公明党は中国の代理人」「靖国参拝反対は中国忖度」との投稿が急増し、2025年10月の高市総裁就任を機に連立離脱論が再燃しています。 0 3 18
党公式には「中国の人権懸念を共有しつつ、対話で解決」との立場ですが、批判者は「勇ましさよりしたたかさの名の下の媚中」と評します。 27
2025年の自民高市総裁就任で、公明の影響力が試されています。高市氏の靖国参拝見送りや外国人政策協議は、公明の「懸念事項」(歴史認識・移民)が反映された形ですが、X上で「連立解消を」との声が高まり、公明の比例票減少(2004年862万→2025年521万票、4割減)も退潮を示します。 32 33
変化の可能性:学会内でも「習近平体制の人権侵害を批判せよ」との声が出始め、公明は「親中イメージ封印」を模索。 26 31 しかし、日中関係悪化(台湾問題・経済摩擦)で、党の路線修正が迫られています。最終的に、国民世論(対中不信60%超)が公明の「忖度」を容認するかは、2026年衆院選次第でしょう。
この問題は、日中バランスの難しさを象徴します。公明の行動が「平和貢献」か「売国」かは視点次第ですが、透明性の高い政策議論が求められます。