2025年10月10日、公明党の斉藤鉄夫代表は自民党の高市早苗総裁との党首会談で、26年にわたる自公連立政権からの離脱を正式に表明しました。これは、自民党の「政治とカネ」問題(裏金事件)への対応不足が主因で、公明党は企業・団体献金の規制強化を強く求めましたが、合意に至らずの決裂です。公明党は閣外協力ではなく、政策ごとの「是々非々」のスタンスを明確にし、首相指名選挙では斉藤氏自身に投票する方針を発表。選挙協力も「白紙」とし、政界に大きな衝撃を与えています。以下では、離脱後の政策転換、選挙展望をまとめ、支持母体である創価学会の高齢化・勢力衰えを加味した考察を加えます。情報は2025年10月12日時点の報道・世論調査に基づきます。
公明党は離脱後も「敵対せず、政策本位で協力」との姿勢を強調しており、完全な野党転向ではなく、柔軟な「中道ポジション」を目指します。従来の自公連立では、公明の福祉・平和主義が自民の保守路線を緩和する「調整役」でしたが、離脱により独自色を強め、クリーン政治を前面に押し出す見込みです。主な政策変化は以下の通り。
| 政策分野 | 離立前(連立時)のスタンス | 離立後の予想スタンス | 影響・背景 |
|---|---|---|---|
| 政治資金改革 | 自民に規制強化を迫るが、閣内調整で妥協(例: 2025年参院選前)。 | 企業献金全面禁止を法案化し、野党連合(立憲・国民民主)と連携。クリーン政治を党の「原点回帰」に位置づけ。 | 離脱の直接原因。斉藤代表は「自民の曖昧回答が限界」と会見で強調。支持母体の不満(自民裏金への巻き添え)を解消狙い。 |
| 社会福祉・子育て支援 | 低所得者向け給付金拡大(例: 18歳以下10万円案)を推進。 | 補正予算案に賛成可能と柔軟対応。外国人共生政策(移民規制反対)を維持し、参政党の「日本人ファースト」に対抗。 | 公明のコア政策。離脱で国交省ポスト喪失(中野洋昌国交相退任)も、是々非々で実現を狙う。財界からは「政策不安定化懸念」の声。 |
| 平和・外交 | 自民の安保強化を抑制(例: 靖国参拝反対)。 | 高市総裁の靖国参拝表明に批判を強め、中国との距離感を調整。拉致問題で独自提案。 | 創価学会の平和主義反映。離脱で自民の右傾化を牽制し、中道層取り込み狙い。 |
| 経済・税制 | 消費税増税凍結を主張。 | 令和8年度税制改正で野党側に寄り、減税・低所得者支援を優先。ライドシェア規制緩和に反対継続。 | 離脱で自民の経済安保優先を批判。公明の「弱者目線」が野党再編のカードに。 |
公明党の選挙基盤は創価学会の組織票(公称827万世帯)に依存しており、離脱は短期的に「自民離反票」の回収を狙えますが、長期的に集票力低下が加速する懸念大。2025年参院選では比例得票521万票(前回比約114万減)と歴史的低迷で、離脱後の2026年衆院選(早期解散濃厚)ではさらに苦戦が予想されます。世論調査(共同通信10月)では公明支持率3.5%と低迷、無党派層の流出が深刻。
公明党の基盤である創価学会(公称827万世帯)は、戦後復興期の団塊世代(70歳以上)が主力で、会員の70%超が50代以上と高齢化が深刻。2025年参院選の比例票減少(240万減)は、この「組織力低下」の象徴で、若年層の入信停滞(2世・3世の活動離れ)が加速しています。 51 53 55 57 63