この情報の真偽確認
ユーザーが引用した内容(トランプ大統領が日米首脳電話会談で高市早苗首相に対し「(米中が)うまくやろうとしているのに、邪魔しないでくれ」と厳しくくぎを刺し、首相が会談後落ち込んでいたという話)は、北海道新聞の単独報道に基づくものです。この記事はYahoo!ニュースにも転載されており、URLはhttps://news.yahoo.co.jp/articles/5d235af726c7bca0215991351ba98370de471f39です。 2 9 19
しかし、真偽は極めて疑わしいと判断します。理由は以下の通りです:
- ソースがすべて匿名:記事の根拠は「政府関係者」「官邸筋」の証言のみ。具体的な名前や複数ソースの裏取りがなく、他の主要メディア(NHK、共同通信、朝日新聞、読売新聞、日経新聞など)で全く同じ内容が報じられていません。11月末の電話会談に関する過去報道では、トランプ氏が「対立エスカレート回避」を穏やかに助言した程度の話しか出てきていません。
- 他のメディアのフォローアップなし:同様の厳しい苦言や「落ち込んでいた」という詳細は、どこにも確認できません。これは典型的な「単独スクープだが裏取り不足」のケースです。
- X(旧Twitter)での反応:記事が拡散されていますが、多くのユーザーが「フェイク」「捏造」「北海道新聞の偏向報道」と疑っています。ひろゆき氏のポストもこの記事を引用しつつ、協調していない様子を指摘していますが、コメント欄では信憑性を疑問視する声が多数です。
結論として、この具体的な発言とエピソードは未確認の情報であり、フェイクニュースや意図的なリークの可能性が高いです。公式な日米双方の発表やホワイトハウス・首相官邸の記録にこうした内容は一切ありません。
背景と考察・分析
- 2025年の状況:高市早苗氏は2025年10月に自民党総裁選で勝利し、日本初の女性首相に就任しています。 82 84 トランプ大統領とは対面会談(10月頃)や電話会談(11月末)を行い、日米同盟強化や「黄金時代」を確認する合意文書に署名するなど、表向きは良好な関係をアピールしています。 29 32
- なぜこんな報道が出てきたか:
- 高市首相は保守強硬派で、対中政策(特に台湾問題や中国軍機のレーダー照射事件)で積極的な姿勢を示しています。これがトランプ政権の「米中ディール優先」と摩擦を生む可能性はあります。トランプ氏は中国との貿易・関税交渉を重視し、過度な対立を避けたい意向が強いため、日本が「邪魔」になるシナリオは理論上あり得ます。
- しかし、トランプ氏は同時に台湾支持を明確にしており(台湾保証法署名など)、高市氏の強硬姿勢を完全に否定するような発言は矛盾します。
- 北海道新聞は伝統的にリベラル・左派寄りと見なされるメディアで、保守政権批判の記事が多いです。この報道は、高市政権の支持率低下や内閣揺さぶりを狙った「飛ばし記事」の疑いが濃厚です。Xでは「高市叩きのプロパガンダ」との指摘も目立ちます。
- 日米関係の現実:2025年12月時点で、日米は同盟強化を進めています。トランプ政権は日本に防衛費増額を要求しつつ、エネルギー・AI・重要鉱物での協力合意を結んでいます。 34 35 米中接近の兆候はありますが、日本を完全に切り捨てるような兆候はありません。
今後の展開予測
- 短期:この記事が本当なら、日米間に亀裂が入り、高市政権の対中強硬路線が修正される可能性。ただし、公式否定が出れば(官邸やホワイトハウスから)、単なるデマとして収束します。すでにXで疑義が広がっているので、拡散は限定的かも。
- 中期:高市政権は中国との緊張(レーダー照射事件など)を背景に、米国以外の同志国(オーストラリア、欧州)と連携を模索する動きを強めるでしょう。トランプ氏の「ディール優先」が続く限り、日本は防衛費増額や投資拡大で「忠誠」を示す必要が出てきます。
- 長期:米中が本格接近すれば、日本は孤立リスクが高まり、自主防衛論や核武装議論が再燃する可能性。逆にトランプ氏の対中強硬が復活すれば、日米協調は維持されます。いずれにせよ、このような匿名リーク報道は政権批判のツールとして今後も出てくるでしょう。
全体として、アメリカと日本が「協調していない」と断定するのは早計です。表向きの同盟関係は安定しており、この報道は信憑性に欠けます。追加情報が出てきたら再確認をおすすめします。
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