・赤坂個室サウナ夫婦死亡火災事故：ニュース詳細解説分析　今後の展開

東京・赤坂個室サウナ夫婦死亡火災事故：ニュース詳細解説分析　今後の展開

2025年12月15日正午頃、東京都港区赤坂の会員制高級個室サウナ店「SAUNATIGER（サウナタイガー）」で火災が発生し、利用していた30代夫婦が死亡する事故が起きました。この事件は、サウナブームの裏側で浮上した施設の安全管理問題を象徴するものとして注目されています。以下に詳細をまとめ、解説・分析します。

ニュース詳細

事故発生: 12月15日午後0時25分頃、店が入居するビルの火災報知器が作動。「非常ベルが鳴っている」との119番通報で消防が駆けつけ、3階の個室サウナ室で男女2人が倒れているのを発見。病院へ搬送されたが死亡が確認された。 9 10
被害者: 神奈川県川崎市在住の美容会社経営・松田政也さん（36）と妻でネイリストの松田陽子さん（37）。夫婦で11時～13時の予約利用中だった。発見時はサウナ室内の入り口付近で、陽子さんの上に政也さんが覆いかぶさるように折り重なって倒れていた。 20 28
現場状況:
サウナ室（約2畳半）の木製ドアノブ（L字型）が内外両側とも外れて床に落下。扉が開けられない閉じ込め状態だった可能性が高い。 1 14
室内に焦げたタオル、座席や壁の一部が焼損。
非常ボタン（フロント接続）のカバーが壊れ、押された形跡があるが、電源が切れていたか作動せず。 26 27
施設概要: 3年前オープンした高級プライベートサウナ。月額39万円のプレミアムコース（食事・飲料無料、シェフ常駐）あり。有名タレント監修・広告塔だったが、事故後HPから削除。ジャグジー付き個室が特徴。 11
死因: 司法解剖中。焼け跡は軽度のため、熱中症、一酸化炭素中毒、煙吸引による窒息が有力。 16

施設は当面営業停止。警視庁は事故・事件両面で捜査中。

解説・背景

サウナブームで個室・プライベートサウナが増加中だが、安全基準の曖昧さが問題化。東京都火災予防条例では温度・熱源距離は規制されるが、ドアノブや取っ手の設計は特段規定なし。専門家（元東京消防庁）は「サウナ室は高温多湿でパニック時対応が必要。内側から押すだけで開く『パニックドア』が一般的」と指摘。現場のL字回転式ドアノブは珍しく、故障リスクが高い。 13 16

出火原因推定:

タオルなどがサウナストーブに接触・落下。
ストーブ不完全燃焼による一酸化炭素発生。

過去のサウナ事故（2010～2024年4月）：78件報告、うち死亡2件。個室型増加で閉じ込め・熱中症リスクが顕在化。 4

分析・考察

施設側の責任: ドアノブ脱落・非常ボタン電源切れは重大な管理不備。閉じ込めで脱出不能となり、夫婦が扉に向かって倒れていた状況から、パニック状態で助けを求めていた可能性が高い。男性が女性を守ろうとした姿勢も推測される。
設計の問題: 高級志向で木製ドアノブを採用したが、耐久性・安全性不足。非常ボタンの電源管理ミスは人為的エラーか。
業界全体の課題: サウナ人気で施設急増だが、統一安全基準なし。個室型はスタッフ監視が薄く、事故時の対応遅れやすい。一酸化炭素検知器や自動解錠システムの義務化議論が必要。
社会的側面: 高級施設ゆえの「贅沢」イメージが裏目。被害者夫婦は普通の利用者で、予期せぬ事故がサウナのリスクを浮き彫りに。

この事故は「設備故障による閉じ込め→火災・中毒」の複合要因とみられ、過失致死の刑事責任追及の可能性あり。