フィンランドの「つり目問題」と類似する過去の「つり目」ジェスチャー(slanty eyes/chinky eyes gesture)による差別事例は、世界的に繰り返し発生しており、主に東アジア人(特に中国人・日本人・韓国人)を嘲笑する人種差別的行為として批判されています。このジェスチャーは歴史的にアジア人の目元をステレオタイプ化して侮蔑するもので、意図が「冗談」や「無邪気」でも国際的に非難を浴びることが多いです。以下に主な過去事例を時系列で詳述します。
著名人・セレブの事例
- 2009年: Miley Cyrus(マイリー・サイラス、当時ディズニー女優)
- 友人らとのグループ写真で、目尻を引っ張るジェスチャーをし、アジア系の人を嘲笑したと批判。
- 本人は「ただのふざけ合い」と弁明したが、アジア系コミュニティから強い抗議。謝罪し、イメージダウンにつながったが、キャリアへの致命傷とはならず。
- 2018年: FIFAワールドカップ関連
- 韓国戦勝利後のメキシコファンらが祝賀でつり目ジェスチャー。
- また、Telemundo(スペイン語放送)の朝番組司会者2人(James TahhanとJanice Bencosme)が韓国人を嘲笑する形でジェスチャー。
- 両者とも謝罪し、番組側は無期限停職処分。ワールドカップの多文化性を損なうとして国際的に非難。
スポーツチーム・選手の事例
- 2008年: スペイン男子バスケットボール代表チーム
- 北京オリンピック前に広告撮影で、全員がつり目ジェスチャーの写真を撮影。
- 「ただのジョーク」と主張したが、中国などで大炎上。チームは謝罪したが、スペインのイメージに打撃。
- 2008年頃: スペイン女子テニスチーム
- 同様のつり目ポーズ写真が流出。スペイン国内では「無害な冗談」と擁護する声もあったが、国際的に人種差別として批判。
- その他のスポーツ事例
- ロシア女子バレーボールコーチが韓国戦勝利後につり目ジェスチャー(動画拡散)。
- 南米観光客やファンによる類似行為も散見され、文化的に「軽いジョーク」と見なす地域がある一方で、アジア系からは強い拒絶。
企業・ブランドの事例
- 2025年8月: Swatch(スイス時計メーカー)
- 広告で男性がつり目ジェスチャー。中国を中心にバックラッシュが発生し、広告撤回・謝罪。
その他の社会的な事例
- 2010年代: ソーシャルメディアトレンド
- 「chink eyes selfie」として、非アジア人が目尻を引っ張った自撮りを投稿するトレンドが一時流行。
- Buzzfeedなどで「無知な差別」として指摘され、批判が高まった。
- 学校・日常レベル
- アジア系児童が学校でこのジェスチャーを受けるいじめが世界的に報告され、アジア系アメリカ人コミュニティで議論に(Redditなど)。
これらの事例の共通点は、加害者側が「意図せず」「冗談」「過剰反応」と主張する一方で、アジア系からは「根深いステレオタイプの再現」として強く非難される点です。多くの場合、謝罪と処分(称号剥奪、停職、広告撤回)で収束しますが、欧米・欧州では「アジア人差別」が黒人差別などに比べて軽視されやすい傾向が指摘されます。フィンランドの2025年事例も、この繰り返されるパターンに当てはまり、右派政治家の擁護姿勢が新たな特徴となっています。こうした繰り返しが、アジア人差別の「正常化」を助長しているとの声もあります。
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