秋田県のニュース(2026年1月30日頃の読売テレビ報道など)で取り上げられている「外科が崩壊寸前」という状況は、秋田大学医学部附属病院を中心に外科医不足が深刻化し、手術待ち時間が長期化(例: 肝臓・膵臓がん手術で2ヶ月以上待ち)していることを指しています。
主な原因は以下の通りです:
- 県内での外科医の高齢化と退職・縮小により、手術可能な病院が減少。
- 患者が秋田大病院へ集中(市内一極集中)。
- 若手医師の外科離れが極端(2024年度: 研修医45人中外科志望2人、2025年度: 47人中4人)。激務・長時間労働・待遇の悪さ・リスクの高さが敬遠要因。
秋田県は高齢化が全国トップクラスで手術ニーズが増加している一方、医師確保が特に難しい東北地方の典型例です。報道では「秋田だけではなく青森・岩手・新潟などでも医師が少ない」と指摘されています。
日本全体の外科(特に消化器外科)不足の現状
日本全体でも外科医不足は深刻で、秋田のような地方の極端な事例が全国に広がりつつある構造問題です。主なポイント:
- 医師数の推移:消化器・一般外科医は2002年から2022年で約2割減少(約1万9000人)。他の診療科(内科・麻酔科など)は増加傾向なのに、外科だけ減少。
- 高齢化と若手離れ:日本消化器外科学会によると、60代が最多。65歳未満の消化器外科医は2025年頃1万5200人 → 2040年には9200人へ約39%減の見込み。
- 厚生労働省推計:2040年にがん手術を担う消化器外科医が約5000人不足。手術需要は微減(5%程度)なのに、医師減少が上回る。
- 日本外科学会・消化器外科学会の危機感:若手志望者が激減(専攻医全体に占める外科割合が低下)。「外科は崩壊寸前」「手術待機期間延長でがん進行リスク」「夜間救急対応困難」などの警告が続出。
- 地域差:医師偏在が顕著で、東日本(特に東北・北海道)や地方で深刻。都市部(東京など)は相対的にマシだが、それでも20年後に17.5%減予測。西高東低の傾向あり。
外科医不足の根本原因は「長時間労働・緊急対応の多さ・給与対効果の悪さ・医療訴訟リスク」など。若手が美容外科や負担の少ない診療科へ流れる「直美」現象も影響しています。
今後の見通しと対策の方向性
- 集約化の動き:高難度手術を大病院に集約し、common disease(虫垂炎など)は地域で均てん化。診療報酬で促進議論中。
- 待遇改善:外科医の給与増・負担軽減・タスクシフトを厚労省が検討。
- 偏在対策:医師少数区域への経済支援・遠隔医療活用など(2025-2026年に総合対策パッケージ推進中)。
結論として、秋田の「崩壊寸前」は地方の先駆け的な警鐘で、日本全体で外科医療の持続可能性が危ぶまれています。特にがん手術や救急手術が数ヶ月待ちになるリスクが高まっており、早期発見・検診の重要性や、医療機関情報の事前確認が個人レベルでも推奨されています。
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