山本由伸(やまもと よしのぶ)投手は、1998年8月17日生まれの岡山県備前市出身。身長178cm、体重80kgの右投げ右打ち投手で、愛称は「ヨッシー」。幼少期から野球に親しみ、小学校1年生で軟式野球を始め、中学時代は東岡山ボーイズで全国大会出場。高校は宮崎県の都城高校に野球留学し、2年夏に151km/hを計測する本格派右腕として注目を集め、ノーヒットノーランを達成。2017年のドラフト会議でオリックス・バファローズから4位指名を受け入団
プロ入り後、2018年は中継ぎで32ホールド(リーグ2位)を記録し、2019年に先発転向。2021年から3年連続でパ・リーグ投手4冠(最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最多勝率)を達成するなど、NPB史上稀に見る支配力を発揮。オリックスで3度のリーグ優勝と2022年の日本シリーズ優勝に貢献した。2023年オフにポスティングシステムを利用し、MLBのロサンゼルス・ドジャースへ移籍。契約金は史上最高額の12年3億2500万ドル(約465億円)。ドジャースでは大谷翔平らとチームメイトとなり、2024年シーズンにワールドシリーズ優勝を果たす。国際大会では、2019年プレミア12優勝、2021年東京五輪金メダル、2023年WBC優勝に貢献。26歳までに日本シリーズ、WS、プレミア12、五輪、WBCの「5冠」を達成した史上初の選手として知られる。
山本投手は「精密機械」と称されるコントロールの良さと、最高時速160km/h超のストレートが武器。主な球種は4シーム(平均154km/h)、スプリッター、カーブ、スライダー、チェンジアップの5球種で、特にスプリッターの空振りが奪三振率を高めている(NPB時代は奪三振率10.0超)。被打率は低く、NPB通算被打率.190、MLBでも.200前後を維持。スタミナがあり、完投能力が高い一方、MLB移籍初期は適応に苦しんだが、2025年は復調し、ポストシーズンで完投を連発。精神面では冷静沈着で、大舞台での集中力が際立つ。オフには日本語絵本の読み聞かせなどの社会貢献活動も行う謙虚な人柄。
NPB時代(2017-2023、オリックス在籍)は、70勝29敗、防御率1.82、922奪三振を記録。3年連続4冠は史上初で、歴代投手2位の26個のタイトル・表彰を獲得した。
| 年 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 奪三振 | 完投/完封 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 3 | 0-0 | 4.50 | 2 | 0/0 | ルーキーイヤー |
| 2018 | 55 | 3-3 | 2.36 | 71 | 0/0 | 中継ぎ32H(リーグ2位) |
| 2019 | 22 | 7-4 | 1.95 | 121 | 2/2 | 最優秀防御率 |
| 2020 | 17 | 4-3 | 1.89 | 149 | 3/1 | 最多奪三振 |
| 2021 | 23 | 9-6 | 1.39 | 206 | 5/3 | 4冠王、MVP |
| 2022 | 23 | 15-5 | 1.68 | 205 | 4/2 | 4冠王、MVP、日本シリーズMVP |
| 2023 | 23 | 16-6 | 1.21 | 169 | 6/3 | 4冠王、MVP |
| 通算 | 166 | 70-29 | 1.82 | 922 | 20/11 | – |
MLB移籍後(2024-現在、ドジャース在籍)は、2024年にワールドシリーズ優勝に貢献。2025年は開幕投手として活躍し、200奪三振を達成。通算成績は安定し、ポストシーズンでの完投が目立つ。
| 年 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 奪三振 | 完投/完封 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 28 | 12-6 | 3.00 | 158 | 2/1 | デビュー年、WS優勝 |
| 2025 | 32 | 15-5 | 2.45 | 212 | 4/2 | All-Star、オールMLB1stチーム |
| 通算 | 60 | 27-11 | 2.72 | 370 | 6/3 | – |
山本投手はNPBの絶対エースからMLBのポストシーズン・ヒーローへ成長。2024 WSでの好投(1失点完投級)は「大舞台の男」として評価され、2025年もドジャースのローテーションの柱。将来はサイ・ヤング賞獲得が期待される。