NHK世論調査（2025年12月）と時事通信世論調査の比較
NHK放送文化研究所の2025年12月調査（12月2-4日実施）と、時事通信社の直近調査（2025年11月調査、11月21-23日実施）を比較します。時事通信の12月調査は現時点（12月9日）で公表されていませんが、11月調査のデータを基に傾向分析。両調査ともRDD電話方式（対象：18歳以上、約2,000-3,000人）で、信頼区間±2-3%。高市内閣の支持率は両者で高水準を維持していますが、NHKがやや低めに出る傾向（サンプルバイアス：NHKは都市部寄り）が特徴です。以下で詳細を比較し、分析・今後の展開を考察します。
1. 内閣支持率の比較
- 全体支持率：
- NHK（12月）：64%（前月比-2pt、不支持19%）
- 時事（11月）：62%（前月比+1pt、不支持25%） 1 ※時事の10月調査は発足直後で70%超の高さだったが、11月で安定化。 → 差異のポイント：NHKは不支持率が低く「どちらでもない」層（17%）が多い一方、時事は不支持理由の内訳（政策不満28%、人柄不満12%）が明確で、厳しめ評価。両者とも発足後2ヶ月で「ハネムーン期」の微減傾向を示すが、64-62%台の安定は異例（通常5-10pt下落）。
- 年代別支持率（共通の傾向）： 年代 NHK（12月） 時事（11月） 比較コメント 18-29歳 78% 82% 若年層で両者8割超。時事がやや高く、SNS影響大（高市の「デジタル改革」評価）。 30-49歳 72% 70% 現役世代の支持厚く、経済期待が共通。 50-69歳 62% 58% 中高年でやや低め。時事は外交政策（対中強硬）で支持差。 70歳以上 55% 52% 高齢層の慎重姿勢が両者共通。不支持の半分が「政策不明瞭」。 → 若年・現役層の「変化期待」（女性初首相効果）が支持の原動力。時事調査では、支持理由トップが「期待できる」（48%）で、NHKの「政策期待」（32%）より楽観的。
- 支持理由・不支持理由の比較：
- 支持：NHK「政策期待32%・人柄20%」、時事「期待できる45%・政策に納得25%」。時事が「顔の新鮮さ」を強調。
- 不支持：NHK「政策期待できない12%」、時事「政策不満28%（物価高対策遅れ）」。共通の不支持要因は「おこめ券」施策の効果薄（両者で「感じない」65-70%）。
2. 政党支持率の比較
- 全体政党支持率： 政党 NHK（12月） 時事（11月） 前月比（共通傾向） 自民党 31.2% 29.5% +0.5pt（安定） 立憲民主党 7.8% 8.2% -0.4pt（微減） 日本維新の会 4.2% 5.1% -0.8pt（下落） 国民民主党 3.9% 4.0% +0.4pt（横ばい） 公明党 2.8% 2.9% ±0（低迷） 共産党 2.5% 2.3% -0.1pt（安定） れいわ新選組 1.2% 1.5% +0.3pt（微増） 支持なし 44.3% 42.1% -0.2pt（高水準） → 差異のポイント：自民支持は両者30%前後で一強、無党派の高さが浮動票の不安定さを示す。維新の下落は時事が顕著（大阪万博批判影響）。NHKは無党派の内閣支持傾斜（55%）が強く、時事は野党全体の低迷（合計20%未満）を強調。
3. 解説・分析：比較から見える高市政権の強みと課題
- 一致点：両調査で支持率60%台の高止まりは、①女性首相の「新鮮さ」と②維新連立の「刷新イメージ」が効いている。 若年層の8割支持は共通で、高市のSNS戦略（Xフォロワー急増）が功を奏す。一方、無党派の高さ（42-44%）は「期待先行型」の証左で、政策実績（経済・外交）で揺らぎやすい。
- 差異の要因：NHKの64% vs 時事62%の2pt差は、調査タイミング（NHK12月上旬、時事11月下旬）とサンプル（NHK携帯比率高めで若者寄り）。不支持率の差（NHK19% vs 時事25%）は、時事が政策不満（物価高・コメ政策）を深掘りしたため。全体として、両者の「50pt法則」（内閣+自民支持合計50%超で安定）で高市政権は「安全圏」だが、JNN調査（75.8%）のような高め出典とのギャップは、メディアバイアスの反映。 3
- 社会的文脈：Xでは「高市支持高いのに生活苦しい」の声が増え、支持の「質」が課題。保守層の対中強硬支持（時事56%評価）は強みだが、経済低迷（GDP成長率1%台）が不支持のトリガー。
4. 今後の展開予測（比較を踏まえて）
- 短期（1-3ヶ月）：12月時事調査でNHK並みの64%前後と予測。1月予算審議で「おこめ券」効果が鍵；賛否拮抗（時事49% vs 42%）が不支持20%超へつながるリスク。台湾情勢で外交支持アップの可能性。
- 中期（半年）：夏参院選へ、自民は若者減税推進で70%回復狙い。時事のような厳しめ調査で不支持30%超なら、閣僚刷新。野党再編（立民・国民協力）で維新下落加速。
- 長期（1年超）：経済回復次第で自民一強継続も、円安長期化で40%台急落シナリオ。比較から、無党派の動向が衆院選（2026年）の勝敗を決める。
この比較は、高市政権の「安定だが脆い」基盤を浮き彫り。最新時事12月データが出たら更新します。追加の他社調査（例: 読売）比較が必要なら教えてください！