2025年12月下旬の複数の世論調査（日経、読売、毎日、FNN、グリーン・シップなど）によると、高市早苗内閣の支持率は67%から76%の範囲で推移し、発足以来の高水準を維持している。具体的には、日経新聞の12月19-21日調査で75%、毎日新聞の12月20-21日調査で67%、グリーン・シップの12月第3週調査で76.0%（前週比+0.2ポイント）と、いずれも不支持率を大きく上回る結果となった。 14 16 27 これは、石破内閣からの倍増に近い水準で、発足後2ヶ月経過しても「ご祝儀相場」が続いている形だ。 25 若年層（18-29歳）の支持が特に高く、FNN調査では92.4%に達しており、現役世代の経済対策への期待が反映されている。 19 22
政党支持率については、与党自民党が回復傾向を示し、グリーン・シップ調査で29.1%（前週比+1.0ポイント）と30%目前に迫っている。 27 野党側では、読売新聞の12月19-21日調査で国民民主党が7%（前回比+3ポイント）と首位に返り咲き、立憲民主党4%（-1ポイント）、参政党4%（-1ポイント）と低迷が続く。 15 グリーン・シップでは、維新の会6.8%（-0.5ポイント、5週連続低下）、立憲・国民・参政党が各9.4%（-0.3ポイント）と三つ巴の状況で、無党派層が22.0%と安定。 27 全体として、野党の支持は分散し、自民党の安定が目立つ。
高市内閣の高支持率の主な要因は、経済政策の積極性と外交姿勢にある。まず、経済面では「年収の壁」の調整（課税最低限を160万円から178万円に引き上げ）が評価され、毎日調査で57%が肯定的。野党支持層（国民民主党84%、参政党84%）からも好感を集め、中間所得層の負担軽減がクロス党派的に支持されている。 16 また、18.3兆円の補正予算やガソリン税の暫定税率廃止が物価高対策として40.2%の評価を得ており、FNN調査ではこれが最多の支持理由となった。 22 27 外交では対中強硬姿勢が好感され、中国外務省の渡航自粛勧告後も支持率に影響を与えなかった。 25 加えて、日本初の女性首相という歴史的意義や「人柄の信頼性」が支持を支え、自民党支持層の9割超、国民民主党支持層の8割が好感を示している。 21
政党支持率の変動では、自民党の回復は高市政権の安定が「内閣支持率とのギャップ」を解消した結果。一方、維新の低下は議員定数削減法案の未実現など改革の停滞が原因で、5週連続のマイナス。 27 野党全体の低迷は、立憲の外交追及が空回りし、国民民主の現実路線（税制妥協）が支持を集めた対比が顕著。参政党の下降は保守層の自民回帰によるものだ。 15 全体的に、野党の分断が自民優位を助長している。
2026年は、高市内閣の高支持率が基盤となり、安定した政権運営が予想される。経済成長優先の「責任ある積極財政」が継続し、税制改革や物価対策がさらに推進される可能性が高い。 20 自民党支持率の30%回復が続けば、次期参院選挙（2026年夏予定）で与党優勢が固まり、憲法改正や防衛強化が進む余地がある。 27 一方、野党は分裂状態が続き、維新のさらなる弱体化や立憲・国民の三つ巴が解消されない限り、政権交代の機運は薄い。ただし、経済失速や外交摩擦（対中関係悪化）が生じれば、支持率の変動リスクがある。若年層の高い支持を維持できれば、長期政権化の道が開けるが、改革の実行力が鍵となる。