この主張は、部分的に正しいが、現在の実績ではなく仮定の推定値です。
主張の出典
この数字(アメリカで年間約32,000人の命を救い、190万人の怪我を防ぐ)は、Tesla公式の「Full Self-Driving (Supervised) Vehicle Safety Report」(2025年11月頃公開のライブページ)から来ています。
Teslaは自社のFSD(Supervised、監視付きフルセルフドライビング)使用時の事故率データを基に、もしすべての米国走行マイルがFSDで置き換わったら、どれだけの事故・死亡・怪我を減らせるかを推定しています。
- 基になるデータ:2023年の米国道路死亡者数(約40,000人前後、NHTSAデータ)と怪我数(約200-300万人)を基準に、FSDの事故低減率を適用。
- Teslaの計算:FSD使用で事故が大幅に減るため、死亡を32,000人分、怪我を190万人分防止可能と推定(2023年総走行マイルとFSDの衝突率を外挿)。
重要な注意点
- これは「現在の実績」ではなく「潜在的な効果」の推定です。現在、TeslaのFSDは米国全車両の走行をカバーしていません(Tesla車両は米国市場の数%程度、FSD使用はさらに一部)。
- 実際のFSDは監視付き(人間が監督必要)で、完全自動運転(Unsupervised)ではありません。TeslaのデータではFSD使用時の方が事故率が低いですが、専門家からは「比較方法にバイアスがある」(例: 高速道路中心、Teslaドライバーの属性など)と指摘されています。
- 米国道路の年間死亡者数は近年約40,000-43,000人(2023-2024データ)。32,000人はその大部分を占める推定値ですが、実現するにはFSDが全国的に普及・完全無人化する必要があります。
結論
Teslaの公式推定として数字自体は正しいですが、「テスラの自動運転で(現在)助かり、防げた」とするのは誤解を招く表現です。これは将来の完全普及を仮定した潜在的救命数です。実際の安全データでは、FSD/Autopilot使用時の方が人間運転より事故率が低い傾向は示されていますが、独立検証が必要とされています。
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