公明党、高市に首相指名投票しない、との発言の解説と今後の予想

発言の解説公明党の斉藤鉄夫代表らが、自民党の高市早苗新総裁（2025年10月4日選出）に対して行った発言は、連立政権の継続をめぐる「懸念の解消なくして連立はない」という強いけん制です。これは、10月4日の初会談以降、10月7日の執行部会談でも繰り返され、首相指名選挙（内閣総理大臣の指名投票）で高市氏に投票しない可能性を指摘する政治コメンテーターの田崎史郎氏の発言（TBS「ひるおび」などで報じられた）とも連動しています。背景と詳細を以下に整理します。背景と発言の文脈

• 高市総裁の選出と自民党の状況: 自民党総裁選で高市氏は決選投票で小泉進次郎氏を破り、初の女性総裁に就任。党員票で強い支持を集め、保守派の象徴として「安倍政治の継承」を掲げています。一方、自民党は衆参両院で少数与党（過半数割れ）状態で、公明党との連立が政権維持の基盤です。臨時国会（10月中旬召集予定）での首相指名選挙が迫る中、高市氏は連立拡大（国民民主党などとの連携）も視野に入れていますが、公明党との信頼関係構築が急務です。
• 公明党の懸念点: 公明党（支持母体：創価学会）は、平和主義・福祉重視の穏健路線で知られ、高市氏の保守・タカ派的なスタンスに強い警戒を抱いています。具体的な懸念は以下の通りです：
  • 靖国神社参拝: 高市氏の過去の参拝歴が、歴史認識や近隣国との外交摩擦を招く恐れ。
  • 外国人政策・移民関連: 高市氏の「移民ゼロベース」発言が、公明党の外国人支援・多文化共生政策と対立。公明党内では「高市氏が自分たちのことを何とも思っていない」との声も。
  • 政治とカネの問題: 自民党の裏金事件への対応が不十分で、国民の不信を招く。公明党は厳格なクリーン政治を要求。
  • その他: 選択的夫婦別姓反対や放送法関連の発言（電波停止の可能性）も、表現の自由やジェンダー平等の観点から批判されています。

  斉藤代表は会談後、「支持者から大きな不安や懸念がある。解消なくして連立政権はない」と明言。党内・学会内では「連立離脱も辞さない」との強硬論まで浮上し、7日朝に緊急常任役員会を開催して対応を協議しました。 これにより、連立合意は持ち越しとなり、臨時国会召集が遅れる可能性も指摘されています。

• 田崎氏の発言のポイント: 田崎氏は「自公の26年関係で極めて異例。現状のままでは首相指名で公明党が高市さんに投票せず、自民単独少数政権スタートになる」と分析。公明党の「不安伝達」が連立崩壊の引き金になるとの見方です。 これに対し、弁護士の八代英輝氏は「連立なくした方が健全」と、公明党の影響力を批判的に評価しています。

この発言は、公明党の「条件付き連立継続」のシグナルで、単なる脅しではなく、支持基盤（創価学会）の不満を反映したものです。一方、高市総裁は「2点は共有できたが、1点は時間がかかる」と柔軟姿勢を示し、7日に新執行部（副総裁：麻生太郎氏、幹事長：鈴木俊一氏など）を発足させ、公明党に挨拶に赴きましたが、合意には至っていません。影響の概要

今後の予想高市総裁の女性初首相就任はほぼ確実ですが、公明党との亀裂が政局の鍵を握ります。短期・中期のシナリオを以下に予想します（確率は定性的評価）。短期（10月～11月：臨時国会期）

• 連立合意の可能性（70%）: 高市氏の柔軟対応（例: 政治資金改革の具体策提示）で、公明党の懸念を部分的に解消。10月10日頃の次回協議で合意し、15日召集の国会で高市氏が首相指名される。自民・公明・国民民主の「部分連立拡大」で少数与党を維持。公明党の投票不参加は「ブラフ」で終わる公算大。
• 決裂シナリオ（30%）: 公明党が「連立離脱」を実行。高市氏単独指名で首相就任も、国会運営は野党との個別交渉頼み。補正予算案（物価高対策）の成立が遅れ、召集ずれ込みの混乱を招く。X上では「公明切り歓迎」の声が多く、保守層の支持を固めるが、支持率低下リスクあり。

中期（2026年～2027年：総裁任期中）

• 政権安定化（60%）: 国民民主党との連携強化（政策共通点: 積極財政、経済安保）で公明依存を脱却。2025年度補正予算を成立させ、物価高対策（赤字国債活用）で成果を上げ、支持率回復。改憲議論を進めつつ、靖国参拝は「拝むだけ」に抑え、外交摩擦を最小化。
• 不安定化・短命政権（40%）: 公明離脱が野党結束（立民・社民の「野田政権」推し）を招き、衆院解散・総選挙で自民苦戦。保守色が強すぎて党内分裂（小泉派の不満）や経済政策の失敗（円安加速）で、2026年中に退陣の可能性。社民党の福島みずほ代表のように「高市阻止で野党結束」を呼びかける声が広がる中、政局は流動化。

全体として、高市政権は「地雷だらけ」（東洋経済評）の厳しい船出ですが、女性首相の象徴性と保守支持を活かせば安定軌道に乗るでしょう。公明党の動向が最大の変数で、Xの反応からも「公明離脱歓迎派」が優勢です。最新の国会動向に注目してください。