サム・ロング(Sam Long)は、2025年11月24日に千葉ロッテマリーンズの新外国人投手として入団が発表された30歳の左腕投手です。MLBで通算162試合に登板した経験豊富な選手で、確かに調べれば調べるほど面白い経歴の持ち主。リリースされて一度野球を諦めかけた末に、Twitter動画がきっかけでメジャー復帰を果たすという異色のストーリーがあり、ファンからも「今オフの来日助っ人ではNo.1の実績」と評価されています。 ロッテのサブロー監督も「色々な場面でチームを勝利に導いてくれると期待」とコメントしており、先発・リリーフ両刀使いのスウィングマンとして期待が高まっています。
ロングのキャリアは、挫折と復活のドラマチックなもの。大学時代はローテーションの一角として95イニングを投げ、ドラフト指名を逃すも、2016年のMLBドラフト18巡目(全体540位)でタンパベイ・レイズから指名されました。 しかし、マイナー時代は苦労続きで、2018年3月にレイズからリリース。野球を諦め、消防士(救急救命士)の資格取得に乗り出し、秋には大学で学位取得を目指す生活に転じました。
そんな中、「やっぱり野球がやりたい」とトレーニングを再開。食事管理と体型改善で球速が向上し、カーブのキレも増したことに気づきます。150km/h超の投球動画をTwitterにアップロードしたところ、シカゴ・ホワイトソックスのスカウトの目に留まり、2019年にマイナー契約で再契約! この奇跡の復活劇からわずか3年後の2021年にメジャーデビューを果たし、ジャイアンツでリリーフとして活躍。通算MLB162登板(8勝11敗、4セーブ)を記録しました。
マイナー通算では防御率4.11、3Aで安定したパフォーマンスを残しています。 ロッテ入団はFA後の移籍で、年俸などの詳細は非公表ですが、MLB経験を活かした即戦力として獲得されました。 なお、奥さんがロッテの公式インスタをフォローしていたというエピソードもあり、移籍の噂が早い段階で浮上していました。
ロングの最大の魅力は、多彩な球種とコントロールの良さ。左腕から繰り出される最速155km/hのフォーシームを軸に、緩急自在の変化球を操ります。 特にスライダーとカーブの質が高く、空振り率が高いのが特徴で、リリーフ向きの「広角型」投球が持ち味。サブロー監督も「スライダーとカーブの質が高く、空振りをとれる」と絶賛しています。
リリーフ中心(通算防御率4.65、WHIP1.403)ですが、2021-2022年頃に先発経験もあり、NPBではローテーション候補としても期待されます。 K-BB%(三振-四球率)は16.7%と安定しており、近3年は年40試合前後の登板をこなし、耐久力も証明済み。 ただし、2025年の低調(BB/9 4.9、SO/9 7.4)から、制球の波が課題点です。
ロッテの外国人枠を考えると、先発(例: ポランコ、アセベド)とリリーフ(ロング)をバランスよく配置し、ソトの日本人枠活用が鍵になりそうです。 2026年シーズン、ZOZOマリンで彼の「復活劇」がどう花開くか、楽しみですね! さらに詳しい動画解説はYouTubeのものをおすすめします。