百田尚樹氏 vs 飯山あかり氏「ゴーストライター訴訟」の詳細
この訴訟は、通称ゴーストライター訴訟と呼ばれ、日本保守党代表の百田尚樹氏(原告)が、元党所属のイスラム思想研究者・飯山あかり氏(被告、飯山陽)を名誉毀損で提訴したものです。背景に両者の党内対立と相互批判があり、保守言論界で注目を集めました。
訴訟概要
- 事件番号: 令和7年(ワ)第7669号(東京地方裁判所民事42部)。
- 原告: 百田尚樹氏(代理人: 福永活也弁護士)。
- 被告: 飯山陽(あかり)氏。
- 請求内容: 損害賠償220万円(一部情報では330万円)と謝罪広告の掲載。
- 提訴時期: 2025年4月頃。
- 判決日: 2025年12月22日。
発端となった飯山氏の発言
2025年3月2日、飯山氏のYouTubeチャンネル「あかりチャンネル」でのライブ配信で、以下の趣旨の発言:
- 「百田尚樹さんには、ゴーストライターがいるって人から聞いたんですよ。」
- 「その話を聞いた時はさすがに驚きましたが、半信半疑ながら、もし事実だとしたらああ、そういうことやったんかいと全てが腑に落ちました。」
- 「こうやって使うんですよね、百田構文って。」
これは、百田氏の独特な表現スタイル(「百田構文」: 「人から聞いた」「真偽は不明だが、もし本当なら腑に落ちる」といった推測・皮肉の手法)を模倣した皮肉・風刺として述べられたもの。飯山氏は、百田氏が自身に対して同様の手法でデマや批判を繰り返したことへの反撃と位置づけています(例: 百田氏が飯山氏を「暗がり」などと揶揄、または飯山氏にゴーストライターがいると示唆する発言)。
百田氏側は、これを作家としての信用を傷つける事実の摘示(ゴーストライターの存在を断定)と主張し、名誉毀損とした。
判決内容(2025年12月22日、東京地裁)
- 主文:
- 原告(百田氏)の請求をいずれも棄却する。
- 訴訟費用は原告の負担とする。
- 結果: 飯山氏の全面勝訴。百田氏の主張は全く認められず。
- 判決理由の要点(判決文公開に基づく):
- 飯山氏の発言は「人から聞いた」という伝聞形式で、事実の断定ではなく、感想・意見・皮肉の表現と認定。
- 一般視聴者がこれを「ゴーストライターの存在を事実として主張した」と受け止めるものではなく、百田氏の社会的評価を低下させるほどの名誉毀損には当たらない。
- 発言の文脈(百田氏の先行批判に対する反撃)が考慮され、表現の自由の範囲内と判断。
- 判決言い渡しは事実・理由を省略し簡潔だったが、詳細判決文で上記が明記。傍聴者は25人程度で、注目度が高かった。
飯山氏は判決後、YouTubeで「全面勝訴、判決文公開」とライブ配信し、喜びを表現。noteで判決文を公開しています。
分析
- 飯山氏側の視点: この訴訟をスラップ訴訟(言論封じのための恫喝的提訴)と批判。百田氏が先に「百田構文」で自身を攻撃したのに、逆用されると訴えるのは二重基準だと主張。勝訴を「表現の自由の勝利」と位置づけ。
- 百田氏側の視点: 作家としての名誉が傷つけられたとし、代理人の福永弁護士は判決に不服を示唆(控訴検討の情報あり)。
- 中立的観点: 判決は、名誉毀損の成立要件(事実の摘示 + 社会的評価の低下)を厳格に適用。伝聞・推測形式の皮肉は保護されやすく、百田氏自身の表現スタイルがブーメランになった形。保守党内紛(日本保守党の分裂)が背景にあり、言論の境界を巡る象徴的なケース。
- 社会的影響: 保守系言論人で分断を露呈。スラップ訴訟の議論を喚起し、オンライン発言のリスクを再認識させる一方、風刺の自由が守られた前例に。
今後の展望
- 百田氏側は控訴可能(期限内)。福永弁護士が「詳細確認の上検討」との姿勢を示唆しているが、2026年1月時点で控訴の報道はなし。
- 控訴審に移れば高裁で再審理(2026年後半~2027年頃判決か)。ただ、一審の棄却が明確で逆転は難しいとの見方多数。
- 飯山氏は勝訴を活かし、YouTube活動継続。逆提訴の可能性は低い。
- 全体として、飯山氏の勝訴で決着の可能性が高く、保守界の対立がさらに表面化するかも。
この訴訟は、池内恵氏関連の別訴訟(飯山氏が控訴中)と並び、飯山氏の「死闘」シリーズとして本人も語っています。詳細は飯山氏のnoteやYouTubeで判決文を確認可能です。
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