2017年10月の第48回衆議院総選挙は、改正公職選挙法で選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に下げてから初めての衆院選で、若い世代の投票傾向に注目が集まりました。出口調査での衆議院年代別、投票率をまとめてみました。
18~19歳の有権者はどの政党を支持していたのでしょうか?
また、若者の最新内閣支持率の最新情報をまとめました。
日本経済新聞による2017年10月22日の出口調査の結果によると、
有権者全体での支持政党とその率は
自民党 36.0%
希望 11.8%
立憲民主 14.0%
公明 5.4%
維新 3.8%
共産 5.3%
社民 1.1%
その他 3.8%
支持政党なし 18.8%
そして、18、19歳の支持政党とその率は
自民党 39.9%
希望 10.7%
立憲民主 7.0%
公明 6.5%
維新 3.9%
共産 3.3%
社民 1.0%
その他 3.7%
支持政党なし 24.1%
という結果でした。
(出典 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22561000S7A021C1EA2000/)
若年層の多くが自民党を支持しているという近年の傾向が、この選挙での出口調査結果ではっきりしています。
テレビ朝日の出口調査による世代別の結果は以下の通りです。
(出典、テレビ朝日の出口調査のテレビ報道より)
自民党の世代別支持率
18、19歳 47%
20代 49%
30代 40%
40代 35%
50代 32%
60代 30%
70歳以上 37%
公明党の世代別支持率
18、19歳 9%
20代 9%
30代 9%
40代 10%
50代 11%
60代 10%
70歳以上 10%
希望の党の世代別支持率
18、19歳 16%
20代 14%
30代 17%
40代 18%
50代 18%
60代 18%
70歳以上 16%
立憲民主党の世代別支持率
18、19歳 12%
20代 12%
30代 16%
40代 19%
50代 22%
60代 24%
70歳以上 20%
日本維新の会の世代別支持率
18、19歳 6%
20代 7%
30代 9%
40代 9%
50代 7%
60代 6%
70歳以上 4%
日本共産党の世代別支持率
18、19歳 6%
20代 5%
30代 6%
40代 7%
50代 7%
60代 9%
70歳以上 9%
年代別に自民の支持率をみると、20代までは40%後半の支持率である一方、40~60代はいずれも30%台前半だった。
立憲民主党は高齢層の支持率が高かったが、10~30代では支持率は低い。そして、共産党も高齢層のほうが若年層より支持率が高い。
すなわち、若者の方がより革新的な志向を持ち、より左的な党への信頼が高かった、のは昭和の時代で終わった話となりました。
若者は平成の不況や世界のより複雑となった現実に直面し、責任がある、そして安定感のある与党政党に人気が集まっています。
また、はっきりしているのは、情報を得る方法として、インターネットにリアルタイムでアクセスしている若いネット世代と、テレビしか見ない、もしくはメジャーな新聞への権威がまだ残っている年齢層、その世代間の支持政党の傾向の違いが顕著になったとも考えられる。そして、そのテレビ世代の絶対的数はこれから減る一方である。
2018年7月の産経新聞社とFNNの合同世論調査で、若者の安倍政権評価突出していることがわかりました。
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、安倍晋三首相の政権運営を「評価する」と回答したのは10~20代で男性が73・2%、女性が61・2%と多数を占めております。
この結果は、大卒の就職率が過去最高になるなど「アベノミクス」を背景に雇用の改善や景気回復が進んでいることを若者が正当に評価していることがわかります。
首相の政権運営を評価すると回答したのは世代別では男女ともに10~20代が最多です。10~20代は具体的な政策のうち「景気・経済対策」を男性の67・6%、女性の49・3%が評価しております。
これこそが妥当な結果と言えましょう。
逆に60代以上では安倍政権への評価が厳しく、世代間の差がはっきりと出ておりますが、これは何度も指摘されているように、高齢者が新聞とテレビという偏ったメディアでしか情報を得ていないことが原因です。
この年代別の結果で明らかなことは、ネットでより多くの情報に接する、意識も高いとみられる若年層ほど正当な政治的判断が可能となり、テレビや新聞でしかバイアスのかかった情報を得ていない高齢層はもはや現実から取り残された状況です。
4月には麻生大臣辞任問題でも世代間差が浮き彫りとなっています。
https://www.sankei.com/politics/news/180423/plt1804230044-n1.html
・関連情報
内閣支持率が高い層の特徴とSNS情報についての朝日新聞調査結果
今後の民意の流れとしては、ネットでの情報の可視化、マスコミの民意誘導に嫌悪感を抱く世代が増えて行くことにより、現在の与党の安定支持が続くであろう。
・関連情報
2017年12月10日の時点のNHKの世論調査の結果。
世論調査の内閣支持率最新をNHKが発表。政党支持率の推移と調査方法について
なお、若い世代の自民党支持率が高いこと、若者の保守化については幾つかの考察がされていますが、毎日新聞の考察とその分析は以下のリンクにまとめました。
年代別自民党支率と若者の保守化についての毎日新聞の記事への考察
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10代から20代にかけての安倍内閣支持が圧倒的に高いという結果が産経の調査で明らかになっています。
産経新聞社とFNNによる自民党総裁選の世論調査の結果、自民党支持層での安倍首相の優位につい
2017年衆議院選挙の出口調査での年代別支持政党率をまとめました。若い世代には自民党が支持が高く、一方、60代の世代では立憲民主党や共産党の支持が比較的高いことなどがわかりました。これらの世代間の支持政党の差は、情報を得る方法がネットと新聞の差である事が影響していると考えられます。
そして、2018年の夏の調査結果でも、若者の層の高い内閣支持率がはっきりしています。
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