国会での与党と野党の質問時間の割合を変えるよう自民党が要請して、それに野党が反発しています。
実際国民の世論はその自民党案をどう評価しているのかが知りたいところです。
ここで、国会での野党の質問時間削減へのFNN朝日毎日新聞の世論調査結果の違いについて分析しました。
国会での野党の質問時間削減 FNNの世論調査結果
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00376261.html
より引用
「与野党の質問時間 半数超が見直しに前向き」
与野党の質問時間の配分について、半数を超える人が、見直しに前向きな考えを示した。
FNNが、12日までの2日間行った世論調査で、国会での質問時間の配分について、与党より野党に、4倍程度手厚く配分されていることの是非を尋ねたところ、「今のままでよい」と答えた人の割合は4割(42.8%)だった。
これに対し、「野党に手厚く配分するが、今よりも、より議席の数に応じた配分に近づけるのがよい」と答えた人(23.9%)と、「議席の数に応じて厳密に配分するのがよい」と答えた人(29.2%)の割合は、あわせて5割を超えた。
手厚く配分されている野党の質問全般への印象を尋ねたところ、「国民の期待に応える建設的な質問が多い」という印象を持つ人は、1割台(14.2%)にとどまり、7割を大きく超える人(76.1%)が、野党の質問について、「建設的ではない質問が多い」という印象を持っていることがわかった。
国会での野党の質問時間削減 朝日新聞の世論調査結果
http://www.asahi.com/articles/ASKCF51XVKCFUZPS001.html
より引用
「野党の質問時間削減「反対」55% 朝日新聞世論調査」
朝日新聞社が実施した11、12両日の全国世論調査(電話)によると、国会での野党の質問時間を減らす自民党の提案に「反対」は55%で、「賛成」の29%を上回った。
野党の質問時間削減案については、自民支持層では「賛成」48%、「反対」37%。これが無党派層では逆転し、「賛成」が18%、「反対」は59%に上った。
国会での野党の質問時間削減 毎日新聞の世論調査結果
https://mainichi.jp/articles/20171114/k00/00m/010/050000c
より引用
「質問時間「野党に多く」54%」
毎日新聞は11、12両日、全国世論調査を実施した。今回の全国世論調査では、現在は野党に大半が配分されている国会での質問時間の見直しについても聞いた。「野党に多く配分する」との答えは54%で、「議席数に応じて配分する」は32%。
自民党は衆院選の圧勝に乗じて質問時間を増やそうとしているが、支持は広がっていない。
国会での野党の質問時間削減 FNN朝日毎日新聞の世論調査結果の違いの分析
このように、FNNの世論調査結果、そして朝日新聞と毎日新聞の世論調査は異なった結果とその解釈となりました。
これは、質問方式が違うこと、聞いた主体が違うことが大きな要因と思われます。
例えばFNNの質問では、賛成か反対か、という直接的な質問をあえてしてないような印象を受けます。
そして、穏便な回答を2つ合わせて、それらを「前向き」というカテゴリーを作ってその数が過半数であることを趣旨としております。
しかし、この調査での一番意味がある結果は
7割を大きく超える人(76.1%)が、野党の質問について、「建設的ではない質問が多い」という印象を持っていることがわかった。
と思われます。
一方、朝日新聞と毎日新聞の質問方式も異なっております。
例えば、毎日新聞の「野党に多く配分する」と答えたのは54%で、これは正直、国会で質問の割合としては与党より野党が多く配分されるのが妥当なことは明らかなので、質問の選択肢としては不適切とも思われます。
そして、これらの結果が言うまでもなく、各社の日頃のポリシーに沿った結果となっていることがわかります。
朝日新聞が嫌いな人は、朝日新聞からの電話だと回答しない人も多いように推測できます。答える人は、そもそも朝日新聞が好みの人だから、回答も朝日新聞の翌日の記事への「忖度」があるかもしれません。
「自民党は衆院選の圧勝に乗じて質問時間を増やそうとしているが、支持は広がっていない。」という文章もこの質の良くない質問の結果としてもあまり意味をなしておりません。ただ毎日新聞のいつもの主張もしくは願望を書いているだけでしょう。
このように世論調査結果を自社の論調を補強するために利用するわけですが、これも以前から同様のことがずっと続いているだけです。
大切なことは、記事の見出しだけでなく、そのように質問内容まで確認して、実際像を把握することが求められています。
まとめ
国会での野党の質問時間削減 FNNと朝日新聞と毎日新聞の世論調査結果の違いと分析をまとめました。
質問内容とその解釈に自社の論調を補強する目的があることがわかります。質問内容まで確認して、質問者の意図と回答について各自で解釈しなおすことが重要です。