10月22日日曜日に衆議院選挙を迎えます。有権者の皆さんは自分の支持する議員と政党に投票して民意を示したいところです。そして、気になるのが選挙の後の与党の政権運営です。
与党の議席獲得数によって、政権の安定性が大きく変化します。過半数を超えただけでは不十分とされます。
そこで、衆議院の選挙制度、衆議院与党の現在の議員数、今回の選挙後の安定多数議員数と委員会の運営についてまとめてみました。
衆議院の選挙制度について
衆議院の選挙制度は「小選挙区比例代表並立制」であり、公職選挙法の改正で、小選挙区は全国で289となりました。
また、比例代表の定員も変更され、全国で176となりました。
この結果、今回の衆議院選挙で選ばれる議員の数は465となっております。
衆議院与党の現在の議席数は?
解散選挙前の与党の議席数は322議席でした。
これは、自由民主党、無所属合わせての287議席数と、連立与党の公明党35議席を合わせた数です(自公連立政権)
衆議院与党の議席数の目標は?
与党として安定するには過半数が必要ですが、衆議院の議員数465の過半数は233人です。
この数字は、本会議における、ほぼ全ての法案を可決するために必要な議席の数です。
ちなみに、安倍晋三首相は今回の選挙に関して、与党が過半数の議席数を維持することができれば政権を継続する、という事を表明しております。
衆議院の安定多数と委員会の運営について
政権与党が、たとえ衆議院の議席の過半数の233議席を占めても、政権与党がイニシアチブをとって議案を審議し、安定した国会運営を行うための十分な議席数とは言えません。それは、国会では、衆議院並びに参議院に設置された委員会での審議が重要視されるからです。
衆議院の17の常任委員会において、各委員会の委員数は、政党の獲得議席数に比例して配分されます。
これらすべての常任委員会において、半数の委員数かつ委員長を与党が独占するのに必要な議席数は244議席(安定多数議席数)となります。
そして、すべての常任委員会において、過半数の委員数を確保できる議席数は261議席(絶対安定多数議席数)です。
この261議席を与党が獲得できるかどうかが、与党が安定した政権運営を行えるかどうかの鍵となります。
また、憲法改正の発議に対して、両院のそれぞれの本会議にて、 3分の2以上の賛成で可決した場合には、国会が憲法改正の発議を行い、国民に提案したものとされることとなっています。
選挙後の衆議院議席数での3分の2以上は310議席以上、という事になります。
憲法改正に関しては、与党のみならず、他にも前向きな党があり、それらを加えてこの310議席以上に達するのかは今回の選挙の焦点のひとつとなっております。
なお、このこの3分の2以上の議席数は圧倒的多数議席数とも呼ばれており、憲法改正以外にも、秘密会の開催、国会議員の除名(これには出席している議員の3分の2以上の賛成が必要)や参議院で否決された法案を衆議院で再可決するために必要な議席数ともなっております。
まとめ
衆議院議員選挙を前にして、与党が獲得する議席数の意義についてまとめました。過半数、そして、安定多数、絶対安定多数議席数があり、議席数によって与党が安定した政権運営をできるかどうかの鍵となります。また、憲法改正に関しては3分の2以上の議席が必要なため、その議席数の310議席に達するかどうかも注目されております。
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