ニュース概要
2025年10月27日、参政党は日本国旗(日の丸)や自衛隊旗などを損壊・汚損した場合に罰する「日本国国章損壊罪」の新設を盛り込んだ刑法改正案を、参議院に単独で提出しました。これは同党にとって初の単独法案提出で、罰則は「日本国を侮辱する目的」で国旗などを損壊・除去・汚損した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金刑とされています。現行刑法第92条では外国の国旗損壊のみを処罰対象としており、日本国旗は対象外という「逆差別」を是正する狙いです。神谷宗幣代表は提出後、記者団に対し「参院選で国旗にバツ印を付けて街頭演説を妨害された。国家への冒涜だ」と説明し、自民党・日本維新の会(維新)との連携を呼びかけました。X(旧Twitter)では支持派の「ようやく正常化!」という声が広がる一方、反対派から「表現の自由を脅かす」との批判も相次いでいます。
ニュース解説
背景と戦略的意義
- 参政党の政党事情: 参政党は2022年結党の新興政党で、2025年参院選で14議席を獲得し、非改選議席と合わせて15議席に拡大。参院では11議席以上で予算を伴わない法案の単独提出が可能となり、今回の改正案が初の「実績」となります。同党はナショナリズム色が強く、反グローバリズムや伝統回帰を掲げており、この法案は「日本尊厳回復」の象徴として党勢拡大の布石。神谷代表は「戦後教育の歪みで日の丸が『右翼の象徴』とされ、米星条旗は貼ってもOKなのに日の丸は叩かれる」と指摘し、国民の「国旗敬意回復」を訴えています。 10 12
- 法的な文脈と矛盾の是正: 刑法第92条(外国国章損壊罪)は1896年制定で、外国国旗の損壊を2年以下の懲役または20万円以下の罰金に処しますが、日本国旗は無罰。これは日清戦争後の外交配慮から来ており、1999年の国旗国歌法でも罰則は見送られました。過去、自民党は2012年に類似法案を提出しましたが廃案。2021年には高市早苗氏らが再要請しましたが、党内反対(例: 岩屋毅氏)で進まず。2025年10月20日の自民・維新連立合意書で「2026年通常国会で国旗損壊罪制定」と明記された直後の提出で、参政党は「先手」を打った形です。維新の吉村洋文代表は「一声かけてくれれば」と苦言を呈しつつ、協力姿勢を示しました。 13 14 19
- 賛否の論点: 賛成側は「国家象徴の保護が公共の福祉で、侮辱目的の行為は表現の自由の範囲外」と主張(弁護士・堀内恭彦氏の見解)。デンマークのように自国旗は自由、他国旗のみ罰則とする国が多い中、日本は「敗戦国意識の遺産」との声も。反対側は「憲法21条の表現の自由侵害」「曖昧な『侮辱目的』の線引きで恣意的運用リスク」を指摘。Xでは門田隆将氏のような支持投稿が1万超の「いいね」を集め、反対派は「ファシズムの兆し」と警鐘を鳴らしています。全体として、ナショナリズムの高まり(自衛隊旗も対象)とリベラル派の抵抗がぶつかる象徴的事件です。 5 13
この改正案は、単なる法整備を超え、日本社会の「国家観」再定義を促す可能性があり、参政党の「保守層アピール」として機能します。Xの反応では、支持が優勢ですが、若年層の反対意見も散見され、社会分断の火種となり得ます。 1 9
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今後の予想
短期(2025年11月~2026年通常国会開会)
- 国会審議の進展: 臨時国会(現在開催中)で法務委員会に付託され、12月頃に初審議の可能性。参政党単独では可決不能ですが、自民・維新との3党連携で衆参過半数(自民200超、維新50超、参政15)を確保でき、修正協議を経て早期成立のシナリオが濃厚。維新の「共有できる」との反応から、共同修正(罰則緩和や自衛隊旗の範囲限定)が予想されます。 14 18
- 世論とXの動向: 賛成派のキャンペーン(#国旗尊重)が広がり、支持率向上。反対派のデモや署名運動で「表現の自由」議論が活発化し、メディア露出増。神谷氏の街頭演説妨害事例が象徴的に取り上げられ、短期的に参政党の露出効果大。
中長期(2026年以降)
- 成立確率と影響: 成立すれば2026年施行で、初適用は政治デモ時の国旗損壊事例(年数件)。自民・維新の合意通り進む公算大で、参政党の「政策実現力」を示し、次期衆院選での保守票固めにつながる。国際的には「正常国家化」のシグナルとして評価される一方、表現規制強化の懸念で人権団体から批判。類似法(スパイ防止法など)との連動で、ナショナリズム政策の「パッケージ化」が加速。
- リスク要因: 立憲民主党・共産党の反対で審議長期化、または「侮辱目的」の曖昧さから憲法判断(最高裁判所)へ。世論調査で賛成60%超(保守層中心)ならスムーズだが、分断深まれば法案修正か廃案の可能性(過去自民案のように)。Xでは支持投稿が続き、参政党フォロワー増(現在100万超予想)。
- 全体展望: この法案は「象徴天皇制」の延長線上で、国家アイデンティティ強化の第一歩。成立すれば、参政党の議席増(次参院選20超?)を後押しし、日本政治の右傾化を象徴。アナリスト予測では、2027年までに関連法(国歌侮辱罪など)も議論化の見込みです。
このニュースは、戦後レジームからの脱却をめぐる「静かな戦い」の一幕。詳細は国会審議や各党声明を注視しましょう。 12 20
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