ニュース概要
2025年11月13日、セ・リーグ3位でシーズンを終えた読売ジャイアンツ(巨人)が、2人の投手を獲得することが明らかになりました。具体的には、福岡ソフトバンクホークスから戦力外通告を受けた板東湧梧投手(29歳)を育成選手として、北海道日本ハムファイターズから自由契約となった北浦竜次投手(25歳)を支配下選手として獲得する方針です。この動きは、10月のドラフト会議で1〜3位を即戦力投手に充てた補強に続くもので、投手陣の底上げを狙ったオフの積極策です。巨人監督の阿部慎之助は「守り勝つ野球」を掲げており、左腕リリーフの強化が急務でした。 0 1 2
選手プロフィールと成績分析
板東湧梧(ばんどう ゆうご、右投右打、29歳)
- 経歴: 鳴門高校出身で、2014年ドラフト5位でソフトバンク入団。大学・社会人経由ではなく、高校生ドラフトで即プロ入り。2020年のリーグ優勝・日本一に貢献した中堅リリーバーとして一時代を築きましたが、近年は不振が続き、2023年以降1軍登板ゼロ。通算成績は114試合登板、防御率3.45、奪三振率8.5/9回と安定感のあるセットアッパー型投手です。
- 今季の状況: ソフトバンクの2軍(福岡ソフトバンク)で登板を重ねましたが、制球難(四球率4.0以上)と球威の低下が課題。戦力外の理由は、ソフトバンクの投手陣再編(若手優先)と板東の年齢的な衰え懸念です。巨人では育成契約(年俸推定500万円程度)で再起を図ります。巨人球団は「経験豊富な右腕として、2軍でフォーム修正を促す」方針で、過去の成功例(例: 田中将大の再生)を意識した獲得です。
- 期待値: 即戦力ではなく「掘り出し物」枠。リリーフの層が薄い巨人にとって、復調すれば中継ぎの穴埋めが可能ですが、29歳という年齢から、来季のキャンプでアピールできなければ再戦力外のリスクも。成功確率は50%程度と見られます。
北浦竜次(きたうら りゅうじ、左投左打、25歳)
- 経歴: 白鴎大学附属足利高校出身で、2017年ドラフト5位で日本ハム入団。左腕ながら幼少期は右投げだった異色の経歴を持ち、身長184cm、体重103kgの大型左腕。主に中継ぎ・抑え候補として育成されてきましたが、1軍定着に至らず。
- 今季の状況: 日本ハムの2軍で21試合登板、1勝0敗、防御率2.89と安定した成績を残しました。スライダーとチェンジアップのキレが武器で、被打率.220と打者を抑える能力は高いものの、1軍昇格の機会がなく自由契約に。巨人では支配下契約(年俸推定1,000万円程度)で即戦力候補として迎え入れられます。
- 期待値: 左腕リリーフの補強ポイントにぴったり。巨人の中継ぎ陣(例: 11日に残留を決めた中川皓太の負担軽減)で、25歳の若さが魅力。2軍成績から1軍デビューは現実的で、奪三振率7.0以上のポテンシャルを活かせば、来季のローテ入りも視野。成功確率は70%超と高めです。 4 5
巨人の補強戦略と背景
巨人は2025年シーズン、投手陣の故障者続出とリリーフ崩壊で3位に沈み、リーグ優勝の阪神に12ゲーム差をつけられました。ドラフトでは戸郷翔征ら若手の穴埋めに注力しましたが、オフのFA市場では目立った大型補強がなく、こうした「戦力外組」の獲得でコストパフォーマンスを重視。阿部監督の「守備重視」哲学のもと、左腕2枚の追加はベンチの柔軟性を高めます。特に北浦の支配下獲得は「即2軍登録可能」との評価で、板東は「長期育成枠」としてリスク分散を図っています。この動きは、巨人スカウト陣の「隠れた逸材発掘」能力を象徴し、過去の成功例(例: 2023年の大勢獲得)を思わせます。 1 2
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今後の展望
- 短期(2026年春季キャンプ): 北浦は2軍で頭角を現せば、開幕1軍の可能性大。板東はフォーム改造次第で中継ぎ復帰を狙います。巨人の投手陣全体で、ドラフト組との競争が激化し、全体のレベルアップが期待されます。
- 長期: V奪回に向けた「投手王国」再建の布石。成功すれば低コストでリリーフ陣を強化し、来季のAクラス入り加速。一方、両者とも不振が続けば「失敗補強」の烙印を押され、阿部政権の評価に影響。巨人ファンからは「賢い選択」との声が上がっており、キャンプでの活躍が鍵です。全体として、この獲得は巨人の「現実的・効率的なオフ戦略」を示す好例と言えます。 0 6
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