経歴
久保田利伸(本名:久保田 利伸、1962年7月24日生まれ、静岡県出身)は、日本のR&B・ソウルシンガーで、ソングライター、音楽プロデューサーとしても活躍するアーティストです。身長170cm、体重59kg。幼少期にスティーヴィー・ワンダーのアルバム『Songs in the Key of Life』に影響を受け、ソウルやR&Bへの情熱を育みました。高校時代にバンドを組み、音楽の道へ進むことを決意。駒澤大学で経済学を学びながら、1981年に羽田一郎とバンド「Hottentots」を結成し、音楽活動を本格化させました。
1982年のコンテスト「Eastwest’82」で最優秀ボーカリスト賞を受賞し、レコード契約を獲得。1986年にシングル「失意のダウンタウン」でソロデビューを果たしました。以降、R&B、ファンク、ゴーゴー、ブルース、レゲエ、ジャズ、ポップなど多様なジャンルを融合させた独自のスタイルで、日本のブラックミュージックシーンをリード。マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、ドニー・ハサウェイ、スライ&ザ・ファミリー・ストーンらに影響を受け、テノールとファルセットを駆使した情感豊かなボーカルが特徴です。
キャリアのハイライトとして、1980年代後半から1990年代にかけてヒット曲を連発。代表曲には「Missing」(1989年、ミリオンセラー)、「Love Rain (Koi no Ame)」(1992年)、「You Were Mine」(1993年)、「Give You My Love」(1996年)、「Dance If You Want It」(1997年)、「LA・LA・LA LOVE SONG」(1995年、木村拓哉とのデュエットでドラマ『Long Vacation』主題歌、ミリオンセラー)などがあります。これまでに17枚のオリジナルアルバムと10枚のコンピレーションアルバムをリリースし、600万枚以上のセールスを記録。33曲のトップ40シングルを生み出し、「日本のR&Bキング」「ファンキー久保田」の異名を取っています。
1993年にはニューヨークに移住し、国際的なコラボレーションを積極的に展開。アメリカのR&B歌手アリソン・ウィリアムズとのデュエット「FOREVER YOURS」(1990年)で国際的な注目を集めました。また、他アーティストへの楽曲提供やプロデュースも手掛け、岩崎宏美、工藤静香、玉置浩二、広末涼子、平井堅、AI、EXILEのATSUSHIなど、多くのミュージシャンに影響を与えています。2007年には「MTV iCon」イベントを開催し、後進のアーティストが自身の楽曲をカバーするトリビュート公演を行いました。近年も『a-nation』などのフェスに出演し、2025年はデビュー40周年を記念したベストアルバム『THE BADDEST IV & Timeless Hits』(9月リリース)とアニバーサリーツアー(2025秋~2026年)を展開中です。
解説
今回の第76回NHK紅白歌合戦(2025年12月31日放送、司会:有吉弘行、綾瀬はるか、今田美桜、鈴木奈穂子アナウンサー)出場は、久保田利伸にとって特別な意味を持ちます。1986年デビュー以来、日本のポップスにR&Bのエッセンスを注入し、J-POPの多様性を広げてきた彼ですが、紅白出場はこれまでわずか1回のみでした。1990年の第41回で、アメリカから中継参加し、アリソン・ウィリアムズとのデュエット「FOREVER YOURS」を披露したのが初出場です。この曲は、久保田の国際志向を象徴する一曲で、海外アーティストとのコラボが当時珍しかった時代に新風を吹き込みました。以降35年間、紅白の舞台を離れていたのは、自身の音楽追求(例: ニューヨーク移住やジャンル実験)を優先した結果ですが、ファンからは長年「紅白復帰を」との声が上がっていました。
2025年の出場決定は、デビュー40周年の節目にぴったりです。NHKの発表会見(11月14日)では、白組として17組の出場歌手の一人として名を連ね、初出場組(&TEAM、M!LK、HANA、幾田りら、ちゃんみななど10組)と共に、ベテランの復帰として注目を集めました。ネット上では「激アツ」「久保田さんのソウルフルな歌声が紅白で聞けるなんて最高」「35年ぶり復活おめでとう」との反響が相次ぎ、SNSでトレンド入りするほどの盛り上がりを見せています。この出場は、久保田のキャリアを振り返る好機でもあり、R&BがJ-POPの基盤となった歴史を象徴します。一方で、紅白の選考基準(視聴率や社会貢献度)が近年多様化している中、63歳の彼の健在ぶりが、世代を超えた音楽の継承を示唆しています。パフォーマンスでは、代表曲「LA・LA・LA LOVE SONG」や「Missing」のようなクラシック、または新曲披露が期待され、視聴者にエモーショナルな夜を提供するでしょう。
まとめ
久保田利伸の紅白35年ぶり2度目の出場は、デビュー40周年の集大成として喜ばしいニュースです。1986年のデビューから、R&Bのパイオニアとして数々のミリオンセラーを生み、国内外で影響力を発揮してきた彼の軌跡が、紅白の舞台で再び輝きます。過去の「FOREVER YOURS」デュエットのように、意外性あるコラボ(例: 若手アーティストとの共演)が実現すれば、さらに話題沸騰必至。日本の音楽シーンに欠かせない「ソウルフルな声」が、大みそかの夜を温かく彩るはずです。ファンはもちろん、R&Bに馴染みの薄い世代にも、彼の魅力を再発見するチャンスとなるでしょう。