解説参政党の神谷宗幣代表（党首）がX（旧Twitter）で言及している「次に出そうとしているコロナ関連法案」とは、「新型コロナワクチン検証法案」（通称：コロナ検証法案）を指します。この法案は、2025年7月頃から党内で準備が進められており、11月25日のスパイ防止法提出後の次なる焦点として位置づけられています。 神谷代表のポストでは、「約束通りスパイ防止法案を提出してきました。あとはコロナ検証法案ですね」と明記され、党の公式方針としてワクチン関連の再検証を強調しています。 法案の背景は、参政党が一貫して推進してきた「新型コロナ対策の徹底検証」キャンペーンにあります。党はコロナ禍での政府対応を「グローバリズムの影響下での言論統制と健康被害の隠蔽」と批判し、2025年参院選公約でも「mRNAワクチンのリスク再評価と被害者救済」を掲げました。 具体的には、2025年10月1日の臨時記者会見で、神谷代表が「科学に基づいた検証ができるような法案を今秋の臨時国会で提出したい」と公表。諸外国でのmRNAワクチン接種の減少傾向を挙げ、日本独自の検証を求めています。 法案の主な内容法案の詳細は党の政策カタログ（2025年版）や国会質疑から抽出され、以下の柱で構成されています。
- 検証委員会の設置: 独立した第三者機関（科学者、医師、被害者代表を含む）を創設し、新型コロナワクチンの有効性・安全性、超過死亡の因果関係、後遺症発生率を科学的データに基づき再調査。政府の過去データ開示を義務化。
- 接種推進策の見直し: mRNAワクチン中心の接種キャンペーンを停止・転換。代替治療法（イベルメクチンなど）の研究推進と、接種勧奨の法的責任を明確化。経済的・社会的影響（雇用喪失や精神的被害）も検証対象。
- 被害者救済措置: 健康被害認定基準の緩和、補償基金の創設（上限額未定）。未成年者や高齢者の優先救済を規定。
- 予防・透明性強化: 将来のパンデミック対策として、多国籍製薬企業の影響排除と、情報公開法の改正を連動。SNS規制やメディア偏向を防ぐ条項も含む可能性（2025年11月13日予算委員会質疑より）。
この法案は、参政党の「日本人ファースト」理念に基づき、グローバリズム批判（多国籍企業のパンデミック関与疑惑）を基調としていますが、具体的な罰則や予算規模は未公表で、提出時に調整される見込みです。 分析参政党のコロナ検証法案は、党の支持基盤（反ワクチン・陰謀論寄り層）を固める戦略的な一手ですが、科学的・政治的な課題を抱えています。以下に強み・弱みを整理します。強み
- 世論喚起の効果: コロナ後遺症被害者の声（超過死亡率の上昇、2025年時点で推定10万人超の申請件数）を反映し、無党派層や若年保守層の共感を呼ぶ。X上では神谷代表のポストが3万ビュー超え、支持拡散が進んでいます。 党の過去活動（2023-2024年の超党派議連勉強会）で蓄積したデータが基盤となり、信頼性を高めています。
- 政策的一貫性: 参政党のグローバリズム批判（例: 2025年参院選での「多国籍企業のパンデミック関与」発言）と連動。 高市政権の「是々非々」姿勢（スパイ防止法協力）と差別化し、独自性を発揮。14議席獲得後の勢いを活かし、法案提出力（単独提出可能）を示す好機です。
弱み
- 科学的根拠の薄さ: mRNAワクチンのリスク強調が、WHOや厚労省のデータ（有効性80%以上）と矛盾。ファクトチェックで「陰謀論的」と批判されやすく、成立時の抵抗が予想されます。 2025年11月13日の予算委員会質疑でも、高市首相から「グローバル化の利点も認識」と反論され、温度差が露呈。
- 政治的孤立リスク: 自民・維新連立がスパイ防止法で一致する中、コロナ法案は野党（立民・共産）からも「分断煽動」と見なされやすく、超党派協力が難しい。与党内でも「過去回帰」との懸念あり。党の小規模（14議席）ゆえ、審議通過のハードルが高い。
全体として、この法案は参政党の「検証・救済」アピールで支持率向上（2025年秋時点で党支持5%超）を狙いますが、科学的中立性を欠くと逆効果の恐れ。党の反グローバリズム路線が、ポピュリズムとして機能する一方、長期的な信頼構築が課題です。今後の予定
- 提出スケジュール: 2025年11月下旬～12月上旬の臨時国会で単独提出予定。スパイ防止法の審議後、即座に着手。 党PT（日本人ファーストプロジェクト）で最終調整中。
- 審議展開: 厚労委員会配属後、2026年通常国会本格審議。被害者ヒアリングやデータ公開を条件に、維新や国民民主との部分合意を目指す可能性。成立は低確率（20%未満）だが、世論調査活用で修正案提示。
- 予想される影響: 成功すれば党の国会影響力向上と被害者運動活性化。失敗時もSNS拡散で支持固め。2026年衆院選に向け、コロナテーマを軸としたキャンペーン強化が予想され、高市政権との対立深化も。全体として、参政党の「検証政治」が日本社会の分断を助長するか、癒やしに寄与するかの分岐点となります。