森木大智投手の自由契約の経緯と背景
森木大智投手(22歳)は、2021年のドラフト会議で阪神タイガースから1位指名を受け入団した期待の右腕です。中学時代から「世代最速」と称され、高校時代には最速149km/hを記録する「スーパー中学生」として注目を集めました。しかし、プロ入り後、怪我と成績不振が重なり、2025年10月1日に戦力外通告を受け、自由契約となりました。以下で詳細を説明します。
なぜ自由契約となったのか?
主な理由は、怪我によるフォーム崩れと制球力の急激な悪化です。
- 怪我の影響: プロ2年目の秋(2022年)に首を痛め、投球フォームが崩れました。これが制球難の引き金となり、以降の登板でボールが荒れやすくなりました。
- 成績の低迷: 高卒プロ2年目以降は1軍登板がなく、2軍(ウエスタン・リーグ)でも苦戦。2024年は21試合に登板し防御率11.32と散々な成績を残しました。2025年も再起を誓って臨みましたが、成績が上向かず、3年目のオフに育成契約へ移行したものの、居場所を失いました。
- 阪神の判断: 阪神は森木本人が「消化しきれていない目標がある」と現役続行を希望したものの、チームの投手陣強化を優先し、戦力外としました。入団からわずか4年でのドラ1戦力外は異例で、ファンからも驚きの声が上がっています。
森木自身はトライアウトで「悔しいし、情けない」と振り返り、プロ4年間を「学びしかなかった」と総括。怪我さえなければという「もしも」が残るケースですが、プロの厳しさを象徴する出来事です。
なぜ他の球団が獲得しないのか?(149km/hの球速があるのに)
2025年11月12日の「12球団合同トライアウト」(マツダスタジアム)で、森木は3人の打者と対戦。最速149km/hの直球を披露し、自由契約後に新たに習得したツーシームも織り交ぜてアピールしました。戦力外通告後、シーズン中はほとんど投げていなかったのに、短期間で球質を見直した努力が光りました。 しかし、現在のところNPBの12球団からの契約オファーは確認されていません。トライアウト参加者39人中、1週間でNPB契約に至ったのはわずか1人だけという厳しい状況です。
獲得が進まない主な理由は以下の通り:
- 制球力の不安定さ: 球速は149km/hと魅力ですが、トライアウトでも初球を中前安打にされ、コントロールの粗さが目立ちました。プロのスカウトは「可能性アリ」と評価しつつ、リスクを懸念。ストライクゾーンを確実に捉えられないため、即戦力として即獲得を避けているようです。
- 高卒ドラ1の「期待値の重圧」: 入団時のポテンシャルが高かった分、4年での戦力外は「選択ミスだった」と本人が後悔するほど。NPB球団は、育成枠での再契約を検討するより、即効性のある選手を優先する傾向があります。
- オファーの状況: NPB球団からの正式オファーはなく、代わりに地元の高知ファイティングドッグス(四国アイランドリーグplusの独立リーグ球団)からオファーが出ています。 同球団は「うちは必ずオファーを出す」と明言しており、森木の高校時代(高知)を考慮した温かい対応です。独立リーグ経由で経験を積み、NPB復帰を目指す道が現実的です。X上でも「ヤクルトでシュートPとして」「中日で育成獲得を」といったファンからの獲得希望の声が見られますが、球団側の動きはまだありません。
森木は「もっと勝てるピッチャーになりたい」と意欲的。149km/hの速球を活かした技巧派への転向が鍵で、独立リーグで実績を積めばNPB復帰のチャンスは十分あります。プロ野球の厳しさを感じさせる一方、再起の物語として注目が集まっています。最新の動向は今後も注視してください。