肝硬変で腹水が溜まるのは

非代償性肝硬変(病状が進行した中期から末期の段階)と呼ばれ、一般的に平均余命は約2年と言われています。ただし、これはあくまで平均値であり、患者さんの状態や治療への反応によって個人差が非常に大きいため、具体的な余命を月単位で断定することは困難です。 

重要なのは、腹水が出たからといってすぐに「手遅れ」というわけではなく、適切な治療により症状をコントロールし、生活の質(QOL)を向上させることが可能である点です。 

余命に影響を与える主な要因

余命は以下の複数の要因によって左右されます。

  • 肝機能の状態: 肝臓の機能がどれだけ低下しているか(Child-PughスコアやMELDスコアなどの指標で評価されます)。
  • 腹水のコントロール: 利尿剤への反応や、難治性腹水かどうか。
  • その他の合併症の有無: 肝性脳症、黄疸、食道静脈瘤、肝腎症候群、感染症などの合併症があると、予後がさらに悪化する可能性があります。
  • 治療への取り組み: 断酒の継続、規則正しい生活習慣、医師の指示通りの治療などが予後に大きく影響します。 

治療の選択肢

腹水に対しては、主に以下のような治療が行われます。

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  • 薬物療法: 利尿剤やアルブミン製剤の点滴など。
  • 腹水穿刺・抜水: 腹水を直接抜いて症状を緩和する方法。
  • CART(腹水濾過濃縮再静注法): 腹水を抜いてきれいに濾過・濃縮してから体内に戻す治療法。
  • TIPS(経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術): 門脈圧を下げるための処置。
  • 肝移植: 内科的治療では生命維持が困難な場合の唯一の根治的治療法となり得ます。 

医師との相談が不可欠

患者さん一人ひとりの病状は異なります。正確な状態を把握し、最適な治療計画を立てるためにも、現在の症状について担当医としっかりと相談することが不可欠です

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