ガイナックス倒産の主な理由は、長年にわたる

経営陣による不適切な運営と度重なる不祥事による信用失墜、それに伴う深刻な経営難と債務超過です。負債総額は約3億8000万円でした。 

主な要因の分析は以下の通りです。

• 経営陣の不適切経営と私物化: 2012年頃から経営陣による会社の私物化が始まり、経済状態が急速に悪化しました。
• 不祥事とブランドイメージの低下:
  • 1999年には約15億円の所得隠し、約5億円の脱税事件が発覚し、社会的な信用を失いました。
  • 2019年には当時の代表取締役社長が未成年淫行容疑で逮捕されるという決定的な不祥事が発生し、ブランドイメージは致命的に傷つきました。
• 主要スタッフの流出と権利の散逸: 経営の混乱により、庵野秀明氏（スタジオカラー設立）、今石洋之氏（トリガー設立）ら多くの主要クリエイターや制作スタッフが退社・独立しました。これにより自社でのアニメーション制作能力が低下し、多くの作品の版権も他社へ移りました。
• 版権料滞納による訴訟: 『新世紀エヴァンゲリオン』の版権を管理する株式会社カラーへの版権使用料の支払いが滞り、2016年に訴訟を起こされました。
• 手の施しようのない債務超過: スタジオカラーなど関係各社の支援の下で再建が試みられましたが、旧経営陣が株主として残っていたことなども影響し、手の施しようのない状況に陥っていました。 

これらの複合的な要因により経営が行き詰まり、2024年5月29日に東京地方裁判所へ破産手続開始の申立てを行い、2025年12月1日付で法人格が消滅し、42年弱の歴史に幕を下ろしました。