キムチ鍋の起源と歴史

キムチ鍋(日本で一般的な呼び名)は、韓国料理のキムチチゲ(김치찌개)を基盤とした鍋料理ですが、現在の日本風キムチ鍋は日本で独自に発展した料理とされています。韓国起源のキムチチゲと日本のキムチ鍋は調理法やスタイルが異なり、混同されやすい点が特徴です。

基盤となるキムチチゲの起源(韓国)

  • キムチ自体は朝鮮半島で古くからあり、野菜の塩漬けとして紀元前頃に始まったとされます。
  • 唐辛子が入った現代的な赤いキムチは、16世紀頃(朝鮮時代中期)にポルトガル経由で日本から伝わった唐辛子が普及した後、17〜19世紀に定着。
  • キムチチゲは、熟成して酸っぱくなった古いキムチを活用するための家庭料理として発展。豚肉、豆腐、野菜をキムチと炒めて出汁で煮込むスタイル。
  • 文献初出は19世紀末頃で、韓国では一人用の小鍋で食べるスープ寄りの日常食。1970年代頃に白菜価格低下で家庭製キムチが増え、普及したとの説も。

日本でのキムチ鍋の歴史と起源

  • 日本にキムチが広まったのは戦後。1950年代頃から在日韓国人コミュニティで販売開始、1970〜80年代に桃屋の「キムチの素」(1970年代発売)がヒットし、キムチ味が家庭に浸透。
  • キムチ鍋のブームは1990年代後半〜2000年代初頭。
  • 1999年にエバラ食品が「キムチ鍋の素」を発売し、大ヒット。これが家庭でのキムチ鍋普及のきっかけ。
  • 具材を鍋に直接入れて煮込む大鍋スタイル(生白菜多用、炒めない場合が多い)が定番化。
  • 日本風キムチ鍋は、韓国チゲとは異なり、多人で囲む寄せ鍋風。韓国にはこのスタイルの「キムチ鍋」は存在せず、日本独自の進化形。
  • 現在、日本では冬の定番鍋として人気No.1になることも。市販の鍋つゆで簡単に作れる点が広まった要因。

主な違い(韓国チゲ vs 日本キムチ鍋)

  • 調理法: 韓国はキムチ・肉を先に炒めて出汁追加。日本は具を直接煮込むことが多い。
  • 鍋のサイズ: 韓国は一人用小鍋(スープ多め)。日本は大鍋(具材たっぷり)。
  • 味のニュアンス: 韓国は酸味強い古キムチ活用。日本はマイルドで甘み寄り。

キムチ鍋は韓国伝統のキムチチゲを日本でアレンジした「日韓融合料理」と言えます。寒い季節にぴったりな温まる一品として、両国で愛されています!

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