ヒートショックの統計データ(日本国内)

ヒートショック(急激な温度変化による血圧変動が原因の健康被害)は、主に入浴時に発生し、心筋梗塞・脳梗塞・失神による溺死などを引き起こします。厳密な「ヒートショックのみ」の死亡統計は存在せず、多くが入浴関連の「不慮の溺死・溺水」として計上されます。以下に、信頼できる公的データと推計値をまとめます(2025年12月時点の最新情報に基づく)。

公式統計:浴槽内溺死者数(厚生労働省 人口動態統計)

  • 2023年: 家庭などの浴槽での溺死 約6,073人(高齢者が大半、全体の不慮の溺死・溺水は約9,000人)。
  • 2022年(令和4年): 浴槽内 5,824人(65歳以上7,900人中)。
  • 2019年(令和元年): 高齢者浴槽内 約4,900人
  • 2018年: 浴槽内 5,398人
  • 傾向: 年間5,000〜6,000人前後で推移。高齢化により増加傾向。9割以上が65歳以上、冬期(12〜2月)に集中(夏の約10倍)。

推計値:ヒートショック関連入浴中急死

  • 最も引用される推計: 年間約17,000人(東京都健康長寿医療センター研究所、2011年寒冬時の調査に基づく)。高齢者約14,000人。
  • 別の推計: 年間約19,000人(消費者庁・厚生労働省関連研究、入浴中アクシデント全体)。
  • これらは交通事故死者数(2023年約2,678人)の数倍に相当し、ヒートショックが主因とみられる

地域例:東京都23区(東京都監察医務院)

  • 2022年(令和4年): 入浴中死亡 1,704件(全異状死の1割超)。高齢者比率高く、冬季増加。

比較データ

  • 交通事故死: 年間約2,500〜3,000人 → ヒートショック関連推計の1/6〜1/7。
  • 熱中症死: 年間数百〜1,000人程度 → ヒートショック関連の方が大幅に多い。
  • 性別(2023年例): 浴槽内溺死 男性約3,533人、女性約3,352人(高齢期で急増)。

注意点と考察

  • なぜ推計値が高いか: 多くのケースが「病死」扱いとなり、公式溺死統計に反映されないため。実際のヒートショック関連死は公式数の2〜3倍と推測される。
  • リスク要因: 高齢者(血管弾力性低下)、高血圧・糖尿病などの持病、飲酒後入浴。
  • 予防効果: 浴室暖房・断熱改修で大幅低減可能(北海道・沖縄で発生率低い例)。

ヒートショックは予防可能な事故です。冬場の入浴時は特に注意を。最新データは厚生労働省人口動態統計で確認可能です。

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