フィンランド「つり目事件」の概要と最新情報
2025年12月頃に発生したこの事件は、北欧フィンランドでミス・フィンランド2025に選ばれたSarah Dzafce氏が、SNSに指で目尻を引っ張る「つり目」ポーズの写真を投稿したことが発端です。このポーズはアジア人を嘲笑する人種差別的ジェスチャーとみなされ、国際的に批判が広がりました。本人は「頭痛でこめかみをマッサージしていただけ」と釈明しましたが、組織委員会は人種差別を理由にタイトルを剥奪。中国やアジアコミュニティへの謝罪も行われました。
さらに、フィンランドの右派政党(Finns Party)の国会議員複数名がこれに連帯し、同様のポーズを投稿。擁護の意図だったと主張しましたが、アジア人差別としてさらに炎上しました。日本でも朝日新聞や中日新聞などで報じられ、駐日フィンランド大使館の声明が「空気を読まない」と批判を浴び、署名運動が1万人近く集まるなど大規模な反発が生じています。
ナウル共和国政府観光局(公式アカウント)とフィンランド大使館元関係者のやり取りの最新情報(2025年12月16日時点)
ナウル共和国政府観光局の日本語公式アカウント(@nauru_japan)は、この事件を「アジア太平洋人への人権侵害」と位置づけ、駐日フィンランド大使館に対し「早めに公式声明を出した方が良い」と提言する投稿をしました。このアカウントは日本人運営とみられ、ユーモアを交えた人気アカウントですが、公式を名乗り外交的発言を繰り返しています。
これに対し、自称「駐日フィンランド大使館元職員」のアカウントが激しく反発。「犬笛(間接的な扇動)」と批判し、ナウルの投稿が国際問題化していると主張。さらに「フィンランド政府としてナウル共和国政府に正式抗議の準備がある」と内部情報を漏らすような発言をしました。また、ナウル側関係者の個人情報を晒すなどの問題行動も指摘されています。
ナウル側はこれを本国大統領府に報告。大統領は元職員の発言に「非常に落胆し、ナウルの評判を傷つけている」との言葉を伝え、ナウル政府としてアジア人差別反対の立場を明確にしました。最新投稿(12月16日)では、フィンランド側の連絡がないこと、元職員の発言を問題視し、駐日フィンランド大使館に「出頭の必要確認」と「保護要請」を検討中としています。元職員のアカウントはすでに削除された模様です。
駐日フィンランド大使館(@FinEmbTokyo)は複数回声明を出し、「人種差別は課題」「公の場で議論を」と一般論を述べていますが、具体的な謝罪やアジア人向け対応はなく、批判を増幅させています。フィンランド本国首相も議員の投稿を非難しましたが、日本向けの直接謝罪はありません。
考察分析
- フィンランド側の背景: 右派政党の支持基盤に移民・ポリコレ疲れがあり、アジア人差別が「ジョーク」として軽視される風潮が見えます。過去に先住民サーミ人への強制不妊政策(1970年まで)があった歴史も指摘され、人権先進国のイメージに矛盾が生じています。中国工作説を唱える識者もいますが、根拠は薄く、国内分断の表れです。
- ナウル側の介入理由: 小国ナウル(人口約1万人)は最近中国と国交回復(台湾断交)した親中寄り国ですが、このアカウントは観光PR目的で人気を博しており、事件を「普遍的人権問題」と捉え介入。結果、フォロワー急増と日本での好感度向上につながっています。運営者の個人的正義感も強い印象です。
- 元職員の暴走: 私憤による高圧的態度(個人情報晒し、脅しめいた発言)が最大の問題。フィンランドのイメージをさらに悪化させ、ナウル側に正当性を与えました。アカウント削除は逃亡と見なされ、フィンランド外交の失態を象徴しています。
- 日本世論の反応: アジア人差別への敏感さから反発強く、フィンランド製品(iittalaなど)ボイコット論も。ナウルアカウントは「勇気ある」と支持を集めています。
全体として、フィンランドの初動ミス(擁護連帯)と対応の鈍さが炎上を拡大。ナウル介入は予想外の外交的プロレスを生み、SNSの国際問題化を象徴しています。
今後の展開予測
- 収束シナリオ: フィンランド大使館がアジア人向けに明確な謝罪声明を出せば鎮静化。首相の非難を基に議員処分が進む可能性。
- 悪化シナリオ: ナウルが外交ルートで正式抗議すれば、小規模ながら国家間問題に発展。日本世論の反フィンランド感情が持続し、観光・経済影響(ボイコット)が出るかも。
- ナウル側の動き: アカウント人気で観光PR成功だが、過度な外交発言は本国から制止される可能性。元職員の情報漏洩がフィンランド国内で調査されれば、さらに波及。
現時点で新たな大規模動きはなく、ナウル側の「正座待機」姿勢が続いています。フィンランドの対応次第で2025年末までに決着がつくでしょう。アジア人差別への国際的 Sensibility が試される事件です。