フィンランドの「つり目問題」(slanted eyes scandal)とは、2025年12月に発生した人種差別関連のスキャンダルです。最新の動向(2025年12月18日時点)をまとめます。
事件の概要
- 元ミス・フィンランド2025のSarah Dzafceが、ソーシャルメディアに投稿した写真で、指で目を斜めにつり上げるジェスチャー(アジア人、特に東アジア人の特徴を嘲笑するものと広く認識される)を行い、「中国人と食事中」というキャプションを付けたものが流出。
- これが人種差別的と批判され、ミス・フィンランド組織は「人種差別や差別行為を一切容認しない」として、彼女のタイトルを剥奪(2025年12月11日頃)。
- これに対し、与党連立の一角である極右政党Perussuomalaiset(フィンズ党、基本フィンランド人党)の国会議員(Juho Eerola、Kaisa Garedewら)や欧州議会議員が、同じジェスチャーの写真をSNSに投稿。「Dzafceへの支持」と「タイトル剥奪の決定を批判する」意図を主張したが、さらなる炎上を招く。
最新の動向
- フィンズ党の対応: 党首で財務大臣のRiikka Purraは、これらの投稿を明確に非難せず、むしろ「Dzafceへの同情」や「議論の absurdity( absurdity)」を強調。党内で支持する声もあり、内部処分は行われていない。
- 連立与党の対応: 首相Petteri Orpo(国民連合党)は、投稿を「幼稚で無責任」と強く批判。フィンランドの平等・非差別価値観に反すると述べ、12月17日にアジア諸国(特に中国、日本、韓国)向けに公式謝罪を発表。中国語、日本語、韓国語でも謝罪文を大使館SNSで発信。
- 国際・国内の反応:
- アジア圏(中国、韓国、日本など)から強い反発。フィンランドのイメージや貿易(例: Finnairの亚洲路線)に悪影響と指摘。
- 国内では、野党や連立パートナーがフィンズ党の繰り返す人種差別スキャンダルを非難。フィンズ党は過去にもPurraの古い人種差別的投稿や他の議員の事件で問題を抱えており、今回の件が「近年最悪の連鎖」と見なされている。
- メディア(Yle、Helsingin Sanomat、BBC、Reutersなど)で大々的に報道。RedditやXでも国際的に拡散され、フィンランドの「人種差別問題」が再燃。
今後の見通し
- 政府は人種差別対策を強化する声明を出しているが、フィンズ党の姿勢が変わらない限り、連立政権の亀裂が深まる可能性。
- 経済・外交への影響(アジア市場のボイコット懸念)が懸念され、Orpo首相は事態収拾に注力中。
- 野党からは、議会での信頼投票やさらなる追及の動きが出る可能性あり。ただし、フィンズ党支持層では「過剰反応」との見方も根強く、国内で意見が分かれている。
この問題は、フィンランドの移民・多文化主義をめぐる政治的分断を象徴しており、2023年からのフィンズ党関連スキャンダルの延長線上です。情報は主にYle、Helsingin Sanomat、Reutersなどの信頼できる報道に基づきます。
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