RDD方式とは?
RDD方式(Random Digit Dialing:ランダム・デジット・ダイヤリング)は、世論調査(特に内閣支持率など)でよく使われる電話調査の方法です。コンピューターで無作為に電話番号を生成して電話をかけ、調査対象者をランダムに選ぶ手法です。
これにより、電話帳に掲載されていない人や、非掲載番号の人も調査対象に含められ、国民全体の意見をより公平に反映しやすくなります。従来の電話帳から選ぶ方法だと、掲載されていない人が抜け落ちて偏りが出やすいのが問題でした。
日本では、NHK、朝日新聞、読売新聞、日経、JNN(TBS系)などの大手メディアが、内閣支持率調査で主にこのRDD方式を採用しています。
RDD方式の基本的な手順(わかりやすい流れ)
- 電話番号の生成
- コンピューターでランダムに数字を組み合わせて電話番号を作成。
- 固定電話の場合:市外局番+市内局番は実際のものを基にし、最後の4桁をランダムに。
- これで、存在する可能性のある番号を大量に作ります(無効番号や会社番号も混ざるけどOK)。
- 電話をかける
- 生成した番号に調査員が電話。
- つながったら、調査の趣旨を説明して協力をお願い。
- 対象者の選定(偏りを防ぐために重要!)
- 固定電話の場合:世帯にかかるので、「この家に18歳以上の有権者は何人いますか?」と聞き、その人数からランダムに1人を選ぶ(例: 誕生日が近い人、または乱数で)。
- これをしないと、在宅が多い人(高齢者や主婦)に偏ってしまう。
- 携帯電話の場合:個人にかかるので、出た人本人を対象に(ただし18歳以上か確認)。
- 回答を集めて調整
- 回答を集めた後、統計的に調整(ウェイト付け)。
- 例: 電話の本数(固定+携帯両方持ってる人)や世帯人数、年齢・性別・地域を国勢調査データに合わせて補正。
- これで、国民全体の「縮図」に近づける。
- 結果発表
- 有効回答数(通常800〜2000人程度)で支持率などを計算。誤差(±3〜4%程度)も明記。
固定電話RDDと携帯電話RDDの違い
- 昔(2000年代〜2010年代前半):主に固定電話のみ。電話帳非掲載も含められるけど、固定電話を持たない若者層(携帯のみ)が抜け落ちやすい問題があった。
- 現在(2016年頃から):多くのメディアが固定+携帯の併用(デュアルフレーム)に変更。
- NHK:2016年12月から
- 朝日新聞:2016年7月から
- JNN:2018年10月から
- 理由:携帯電話の普及で固定電話のみだと若年層の声が反映されにくいため。
- 違い:携帯は地域情報がないので全国調査向き。固定は地域別調査に強い。
なぜRDDが信頼性が高いのか?
- 無作為抽出:誰が選ばれるか予測不能で、偏りが少ない。
- 迅速:短期間で結果が出る(週末に調査してすぐ発表)。
- 匿名性:個人情報なしで電話するので、本音が出やすい。
ただ、課題もあって、回答率は50%前後と低め(知らない番号に出ない人が多い)。それでも統計調整で対応しています。
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本物の世論調査(RDDを使った大手メディアのもの)は、オンラインアンケートみたいに「参加したい人だけ」が答えるわけじゃないので、国民全体の平均的な声に近いんですよ! 参考にどうぞ。
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