『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(劇場版3部作)は、富野由悠季の小説を原作とした宇宙世紀0105年の物語で、『逆襲のシャア』から12年後の世界を描いています。主人公はハサウェイ・ノア(ブライト・ノアの息子)で、彼は反地球連邦組織「マフティー・ナビーユ・エリン」のリーダーとして、腐敗した連邦政府高官をテロで粛清する立場に立っています。
ネタバレあり・完全あらすじ(3部作全体の流れ)
- 前提となる過去(逆襲のシャア関連)
少年時代のハサウェイは、クェス・パラヤ(初恋に近い少女)の死を目の当たりにし、逆上してアムロの恋人チェーン・アギを誤って殺してしまう。このトラウマが彼の生涯を決定づけ、アムロとシャアの遺志(人類の可能性 vs 地球保全)を引き継ぎつつ、自らを「英雄」ではなく「テロリスト」として位置づける。 - 第1部『閃光のハサウェイ』
ハサウェイは新型MSΞ(クスィー)ガンダムを受け取るため、偽装身分で地球へ向かうシャトルに搭乗。そこで出会ったのは、不思議な予知・直感力を持つ美少女ギギ・アンダルシアと、連邦軍のケネス・スレッグ大佐。シャトルが偽マフティー集団にハイジャックされ、ハサウェイは正体を隠しながら生身で制圧。
地上ではホテル爆破作戦や市街地戦が勃発。ペーネロペー(ケネスの部下レーン・エイム搭乗)とΞガンダムの初激突。ハサウェイは理想と現実のギャップ、ギギへの想い、連邦への憎悪に苛まれながら戦う。 - 第2部『キルケーの魔女』
マフティー側が徐々に追い詰められ、装備・食料が枯渇していく絶望感が強調される。ハサウェイの精神はさらに不安定になり、幻覚(イマジナリー・クェス)が見え始める。ギギはハサウェイを「救おう」と動き、ケネスとの間で複雑な人間関係が交錯。
最大の見せ場はΞガンダム vs ペーネロペーの再戦(海中・空中戦)。ラストではハサウェイが頭の中でアムロ(νガンダム)と対峙し、トラウマと向き合う。ポストクレジットでΞガンダムのマスクが割れ、中から本物のガンダムフェイスが現れる衝撃の演出。 - 第3部(原作結末ベース・映画はアレンジ可能性あり)
最終決戦はアデレードで、ハサウェイは捕縛され公開処刑される。マフティーは支持を集めたものの、指導者ハサウェイの死で終わる。救いのないバッドエンドが基本線だが、映画版ではギギの行動やケネスの変化で若干の光が差す可能性が議論されている。
全体を通して、ハサウェイは「正義のためにテロを続けるしかない」という矛盾を抱え、自滅的な破滅に向かう姿が描かれます。
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面白いポイント・見どころ(特に評価が高い部分)
- 地上視点のリアルなMS戦
市街地・公園・海面スレスレで巨大ロボが暴れる描写が圧倒的。従来の「宇宙空間で派手に撃ち合う」ではなく、人間目線で見たMSの恐怖と破壊力が新鮮で、息を呑む。暗闇・雨・煙の中の戦闘演出が異常に美しい。 - 重厚な人間ドラマと心理描写
ハサウェイのトラウマ、ギギの危うい魅力、ケネスの渋いカリスマ、レーン・エイムの青臭さ…会話劇が長めだが、富野節全開の台詞回しとキャラクターの深みがすごい。「英雄のいない時代に英雄になろうとする青年」の苦悩が痛いほど伝わる。 - Ξガンダム vs ペーネロペーのバトル
デザイン・動き・音響が神。イカのようなΞと怪獣みたいなペーネロペーの対比、ミサイル乱射や近接戦がカッコよすぎる。澤野弘之の劇伴が乗ると鳥肌もの。 - 「偽物」と「本物」のテーマ
偽マフティー、偽の英雄気取りのハサウェイ、量産型νガンダム vs Ξ…ラストの「ガンダムフェイス」出現はサプライズとして最高。観客が「これが本物のガンダムだ!」と思える瞬間。 - 救いのなさと美しさのギャップ
絶望的で胃がキリキリするのに、映像・音楽・演出が美しすぎる。見終わったあと「最高だけど辛い…」という中毒性のある作品。
ガンダムシリーズの中でも特に大人向け・重い一本で、初見だと「暗い」「会話長い」と感じる人もいますが、2回目以降に刺さるタイプ。原作未読でも楽しめますが、逆襲のシャアを見てからだとトラウマの重みが10倍になります。
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