世論調査の概要選択的夫婦別姓(夫婦が希望する場合に結婚前の姓を継続可能とする制度)に関する世論調査は、複数の報道機関や団体により実施されており、全体として賛成派が多数を占める傾向が見られる。ただし、最近の調査では「旧姓の通称使用拡大」(同姓を維持しつつ旧姓を使いやすくする)を支持する声が増加しており、導入賛成がやや減少する動きもある。以下では、主な調査の詳細を分析する。調査の多くは2025年以降のもので、2026年衆院選後の最新データも含む。世論は議員の保守的な傾向(反対47%)とギャップがあり、多様性尊重の観点から議論の活性化が期待される。詳細分析1. 読売新聞社 2026年2月電話全国世論調査

  • 調査方法: RDD方式(固定電話・携帯電話、無作為抽出)。固定電話379人、携帯電話658人、計1037人。回答率: 固定52%、携帯28%。人口構成比で補正。
  • 対象: 18歳以上の有権者。
  • 質問内容: 衆院選で投票時に重視した政策・争点(複数選択可能)。選択肢に「選択的夫婦別姓」を含む。
  • 回答割合: 選択的夫婦別姓を重視: 18%。他の政策では景気・物価高対策81%、社会保障64%、外交・安保65%などと比較して中程度の関心。
  • 分析: 直接的な賛否ではなく選挙での優先度を示す。衆院選後調査のため、選挙結果(自民党優勢)と連動し、保守的政策が重視された可能性。賛成派の声が選挙に反映されにくかったことを示唆。 

2. 共同通信社 2025年11-12月世論調査

  • 調査方法: 不明(電話または郵送推定)。
  • 対象: 全国一般(詳細不明)。
  • 質問内容: 選択的夫婦別姓制度の導入賛否。
  • 回答割合: 賛成55%。女性では60%と高い。
  • 分析: 女性の支持が高く、ジェンダー不平等の解消を求める声が強い。衆院選前の調査で、野党の公約(中道改革連合など賛成)と一致するが、自民党の通称使用優先が世論との乖離を示す。 

3. 産経新聞社・FNN 2025年2月合同世論調査

  • 調査方法: 不明(電話推定)。
  • 対象: 全国一般。
  • 質問内容: 婚姻時の姓のあり方(3択: 選択的別姓導入、同姓維持+通称使用拡大、現行維持)。
  • 回答割合: 導入賛成28.0%(前回1月調査37.5%から9.5ポイント減)。通称使用拡大51.7%(前回45.2%から6.5ポイント増)。
  • 分析: 通称拡大が過半数を超え、保守的な妥協案として支持拡大。別姓導入の減少は、議論の停滞や保守派の影響を反映。経済界の要望(不便解消)に応じた現実志向が見える。 

4. 読売新聞社 2025年2月世論調査

  • 調査方法: 不明(電話推定)。
  • 対象: 全国一般。
  • 質問内容: 同上(3択)。
  • 回答割合: 導入賛成27%(前回1月29%から減少)。通称使用拡大46%(前回43%から3ポイント増)。
  • 分析: 産経・FNNと同様の傾向。通称拡大の増加は、高市首相の主張(通称使用法制化)と一致し、世論が現実的な解決を求めるシフトを示す。 

5. 日本労働組合総連合会(連合) 2025年2月調査

  • 調査方法: インターネットリサーチ。
  • 対象: 20~59歳の男女1000人。
  • 質問内容: 夫婦の姓のあり方(同氏がよい、選択可能がよいなど)。また、導入された場合の意向。
  • 回答割合: 「同氏でも別氏でも選択可能がよい」46.8%、「同氏がよい」26.6%。導入されたら: 同氏希望31.5%、別氏希望9.5%、どちらでも37.9%。
  • 分析: 選択の自由を支持する声が強いが、実際に別氏を選ぶ人は少数。労働組合の視点から、仕事上の不便(特に女性の改姓)を解消する制度として評価。別氏希望の低さは、文化的な同姓志向を反映。 

6. 一般社団法人「あすには」 2025年3月調査

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  • 調査方法: インターネット調査。
  • 対象: 事実婚当事者中心(詳細不明)。
  • 質問内容: 選択的夫婦別姓の必要性。
  • 回答割合: 必要40.3%、必要ない20.3%、どちらとも39.4%。法律婚者で改姓した人のうち、制度化されたら旧姓に戻したい: 16.5%。
  • 分析: 当事者中心のため賛成が高め。事実婚者の意識を反映し、改姓の不利益(アイデンティティ喪失)を強調。サンプルが少数なので一般化に注意。 

7. テレビ朝日「報道ステーション」 2025年5月調査

  • 調査方法: RDD電話調査。
  • 対象: 全国一般(詳細不明)。
  • 質問内容: 姓のあり方(3択)。
  • 回答割合: 導入24%、通称拡大43%、現行維持29%。
  • 分析: 通称拡大が最多。国会審議前の調査で、議論の停滞が世論の慎重化を招いた可能性。 

8. 毎日新聞 2025年5月全国世論調査

  • 調査方法: 不明。
  • 対象: 全国一般(詳細不明)。
  • 質問内容: 選択的夫婦別姓の賛否。
  • 回答割合: 賛成38%、反対23%、どちらとも38%。
  • 分析: 賛成が優勢だが、中立が多い。国会での審議再開を背景に、関心の高まりを示す。 

9. 早稲田大学棚村政行教授ら 2020年調査(参考: 過去データ)

  • 調査方法: 不明。
  • 対象: 全国60歳未満の成人男女7000人。
  • 質問内容: 結婚時の姓のあり方。
  • 回答割合: 賛成70.6%(内訳: 同姓だが他は選択OK 35.9%、別姓選択OK 34.7%)。反対14.4%。
  • 分析: コロナ禍前の高支持率。近年減少傾向だが、長期的に賛成基調は変わらず。ジェンダー平等の進展を反映。 

比較テーブル

調査名時期導入賛成通称拡大反対/維持特徴
読売(重視度)2026年2月選挙重視18%(賛否非直接)
共同通信2025年11-12月55%(女性60%)女性支持高
産経・FNN2025年2月28%(↓9.5pt)51.7%(↑6.5pt)通称人気上昇
読売2025年2月27%(↓2pt)46%(↑3pt)同上
連合2025年2月46.8%(選択可能)26.6%実際別氏希望9.5%
あすには2025年3月40.3%20.3%当事者中心
テレ朝2025年5月24%43%29%通称最多
毎日2025年5月38%23%中立38%
早稲田2020年10月70.6%14.4%過去高支持

今後の展望世論は導入賛成が優勢(平均40-50%)だが、通称拡大の支持増加(40-50%)により、別姓の本格導入は難航する可能性。衆院選後、自民・維新連立で通称使用法制化が優先され、2026年通常国会で法案提出の公算大。経済界や女性団体の圧力、国際批判(国連勧告)で議論再燃の余地あり。司法(違憲訴訟継続中)が政治を後押しするケースも想定。長期的に世論との乖離が続けば、ジェンダー政策全体の信頼低下を招くリスクがある。

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