自民党総裁選にかかわるニュース解説と今後の見込み

投稿日：2025-09-28

自民党総裁選2025の概要とニュース解説

2025年9月22日に告示された自民党総裁選挙は、石破茂首相の辞任表明を受け、後任を選出する重要な選挙です。投開票日は10月4日で、立候補者は小林鷹之元経済安全保障相（50歳）、茂木敏充前幹事長（69歳）、林芳正官房長官（64歳）、高市早苗前経済安保相（64歳）、小泉進次郎農林水産相（44歳）の5人。全員が前年の総裁選（9人立候補）からの再挑戦者で、党の信頼回復と少数与党化（衆参両院で過半数割れ）という厳しい状況下で、経済政策（物価高対策）、党改革、野党連携が主な論点となっています。

選挙の仕組みは「フルスペック」方式で、国会議員票（382票）と党員・党友票（約370票）の合計752票を1回目の投票で争い、過半数（377票）を得られなければ上位2人で決選投票（国会議員票のみ）。告示直後の立会演説会（9月22日）では、各候補が党の再出発を強調し、経済成長や防衛強化を訴えました。23日の公開討論会では、外国人政策や信頼回復策で論戦が白熱。経団連会長も「成長と分配の好循環」を期待するコメントを発表し、経済界の関心の高さを示しています。

候補者のプロフィールと主な主張

以下に、各候補の経歴と選挙での主な主張をまとめます。NHKの分析では、演説内容のテキストマイニングで「経済」「党改革」「外交」が頻出キーワードでした。

候補者	経歴・年齢	主な主張（経済・党改革・外交）	推薦人例（一部）
小林鷹之元経済安全保障相	衆院千葉2区・当選5回。東大卒、元大蔵官僚。旧二階派出身。2回目の挑戦。	経済優先の財政観（定率減税2年イメージ）。党の情報リテラシー向上。SNSでの多角的情報摂取を提言。野党連携「あり得る」。	浜田靖一（無派閥）、大野敬太郎（無派閥）
茂木敏充前幹事長	衆院栃木5区・当選11回。東大卒、元商社マン。旧茂木派リーダー。2回目の挑戦。	消費税減税に慎重。赤字国債も厳しい。党の選挙対策強化。日米同盟軸の防衛増強。	新藤義孝（旧茂木派）、梶山弘志（無派閥）
林芳正官房長官	衆院山口3区・当選1回（元参院5回）。東大卒、元商社。旧岸田派。3回目の挑戦。	物価高対策で成長と分配の好循環。外国人政策の慎重論。党の信頼回復に「政治とカネ」改革。	田村憲久（旧岸田派）、中谷元（無派閥）
高市早苗前経済安保相	衆院奈良2区・当選10回。神戸大卒、元キャスター。無派閥寄り。3回目の挑戦。	国力強化（経済成長・防衛）。スパイ防止法推進。赤字国債「やむを得ず」。メガソーラー規制。	塩谷立（旧安倍派）、西村康稔（旧安倍派）
小泉進次郎農林水産相	衆院神奈川11区・当選6回。東大卒、コロンビア大修士。無派閥。初挑戦（前回不出馬）。	党の危機的状況を強調、再出発。ステマ問題で「学びの機会」。子ども政策中心の分配。	加藤勝信（旧茂木派）、野田聖子（無派閥）

これらの主張は、全体として消費税減税や赤字国債に慎重で、経済成長を通じた物価対策で一致。一方、外交では日米同盟強化が共通ですが、高市氏の防衛強硬論が目立ちます。X（旧Twitter）上では、小泉氏の「小泉構文」や林氏のルール違反疑惑が炎上し、若者層の不満が顕在化しています。

今後の見込み

投開票まで残り6日（9月28日現在）と最終盤。党員票の投票締切は10月1日で、X上では高市氏支持の投稿が増加（ヘイトも）。市場では、総裁選後の株価変動を警戒し、三井住友DSアセットは「野党連携次第で円安加速」と予測。

情勢予測: 1回目で過半数到達は難しく、決選投票の公算大。読売新聞調査では小泉・高市が先行、林が追う展開。党員票（高市優位）と議員票（小泉優位）の逆転劇が鍵。麻生派の分散推薦（4陣営）で決選は小泉vs高市か林vs高市が濃厚。
勝者像: 高市氏勝利なら女性初の首相で保守回帰、外交強硬化。小泉氏なら若返りだが「構文」批判で党内結束に課題。林氏健闘で安定政権継続も、Xの炎上で支持離れ加速のリスク。
党全体への影響: 少数与党下で維新との連立強化が避けられず、解散総選挙は「なる早」派が最多（選挙ドットコム調査）。自民の支持率低迷（20%台）が続けば、次期衆院選でさらに苦戦。

この総裁選は、自民の「再生」か「さらなる衰退」かを決める分岐点。国民の目が厳しく注がれる中、政策の具体性が勝敗を分けるでしょう。