2025年ノーベル生理学・医学賞の詳細
2025年10月7日現在、ノーベル生理学・医学賞が発表され、日本人の坂口志文氏が受賞しました。これにより、日本関連のノーベル賞受賞が注目されています。以下に、公式情報に基づいた詳細をまとめます。
受賞者と賞の概要
- 受賞者:
- Mary E. Brunkow(米国、Institute for Systems Biology, Seattle)
- Fred Ramsdell(米国、Sonoma Biotherapeutics, San Francisco)
- Shimon Sakaguchi(日本、大阪大学教授、Immunology Frontier Research Center)
- 賞の理由: 「末梢免疫寛容(peripheral immune tolerance)に関する発見」。
- 彼らは、免疫系が体内の自己組織を攻撃しないように制御する「規制T細胞(regulatory T cells)」と、その発達を司る「Foxp3遺伝子」の役割を解明しました。
- 坂口氏は1995年に規制T細胞を特定し、2003年にFoxp3がこれらの細胞のマスター制御因子であることを証明。Brunkow氏とRamsdell氏は2001年にFoxp3の変異が自己免疫疾患を引き起こすことを発見しました。
- 賞金の額: 総額1,100万スウェーデンクローナ(約1億5,000万円相当)を3人で均等分配。
- 意義: この発見は、免疫系の仕組みを解明し、自己免疫疾患(例: リウマチ、1型糖尿病)やがん治療、臓器移植の進歩に寄与。臨床試験中の新薬開発につながっています。
日本にとっての意義
- 総受賞数: 坂口氏の受賞により、日本人(または日本出身者)のノーベル賞受賞者は29人(個人ベース、米国籍取得者を含む)となります。ただし、カウント方法により異なり、一部ソースでは31人や32人(出生地基準や組織を含む場合)とされることがあります。「30回目」とあるのは、2024年の平和賞(組織賞)を加味した独自カウントの可能性があります。
- 生理学・医学賞では、坂口氏が6人目(過去: 大隅良典氏2016年、本庶佑氏2018年など)。
- 2年連続受賞: 2024年のノーベル平和賞が日本の「日本原水爆被害者団体協議会(Nihon Hidankyo)」に授与されたため、日本関連の賞が2年連続となります。これは個人賞と組織賞の組み合わせですが、日本メディアでは連続受賞として報じられています。
坂口氏の経歴と貢献
- 生年・学歴: 1951年生まれ、京都大学医学部卒業(M.D. 1976年、Ph.D. 1983年)。
- 主な業績: 免疫系の「ブレーキ」役である規制T細胞を発見し、従来の「中枢寛容(thymusでの制御)」中心の考えを覆しました。これにより、免疫異常の治療法が革新されました。
- インタビューコメント: 坂口氏は受賞後、「病気の克服に向けた新しい方法を見つけたいという欲求に駆り立てられてきた」と語っています。
この賞は、ノーベル賞週間の初日(10月6日発表)に始まり、他の賞(物理学、化学など)が続きます。詳細は公式サイトで確認可能です。
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