欧州版ESTA(ETIAS)導入のニュース詳細
欧州版ESTAとして知られるETIAS(European Travel Information and Authorisation System)は、EU(欧州連合)が導入する電子渡航認証システムです。これは、米国のESTA(Electronic System for Travel Authorization)に似たもので、ビザ免除対象国からの旅行者がEU諸国(主にシェンゲン協定加盟国30カ国)への短期滞在(通常90日以内)で訪れる際に、事前にオンラインで申請・承認を得ることを義務づけます。目的は、国境セキュリティの強化、テロや不法移民の防止、疫病リスクの管理です。ETIASはビザではなく「ビザ免除の事前承認」であり、承認されても入国が保証されるわけではありません。
導入スケジュールと背景
- 導入時期: 2026年第4四半期(10〜12月頃)開始予定。EUは正確な日付を数ヶ月前に発表します。 以前は2025年予定でしたが、技術的・統合的な課題で遅延し、2026年末にずれ込みました。
- 関連システム: ETIASは、2025年10月12日から段階的に導入されるEES(Entry/Exit System、入出国システム)と連動します。EESは、非EU市民の入出国をバイオメトリクス(顔写真・指紋)でデジタル登録し、パスポートのスタンプを廃止。ETIASはEESの事前スクリーニング部分です。
- 対象国: ビザ免除の60カ国以上(日本、米国、カナダ、オーストラリア、英国など)の市民。 日本人は該当します。EU市民やビザ保有者は不要。
- 適用範囲: シェンゲン協定国(オーストリア、ベルギー、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス)+キプロス。 アイルランドや英国は対象外(英国は独自のETAシステム)。
申請方法と費用
- 申請手順: 公式ETIASウェブサイト(europa.euドメイン)またはモバイルアプリでオンライン申請。所要時間は数分で、95%が即時承認。 必要事項: パスポート情報、個人情報、旅行目的、セキュリティ質問。
- 有効期間: 承認後、3年間またはパスポート有効期限まで(どちらか早い方)。複数回入国可能。
- 費用: 基本€7(約1,100円、18〜70歳対象)。18歳未満・70歳以上は無料。 第三者サービスを使うと追加料金がかかる場合あり。
- 処理時間: 通常数分〜数時間、最大96時間(追加審査時)。拒否率は低いが、犯罪歴や健康リスクで審査強化。
ETIASは2026年開始なので、現在(2025年10月)は申請不要。EESが先に始まるため、2025年秋以降の旅行者はバイオメトリクス準備を。
気をつけるべき点
ETIAS/EES導入で旅行がデジタル化されますが、混乱やリスクを避けるために以下の点に注意してください。主にセキュリティ、詐欺、準備面です。
スポンサーリンク
1. 詐欺サイト・サービスに注意(最大のリスク)
- ETIASはまだ稼働していないのに、偽サイトが「今すぐ申請!」と誘い、個人情報や高額料金を騙し取る事例が増えています。 ABTA(英国旅行代理店協会)やEUが警告中。
- 対策: 公式サイト(europa.eu)のみ使用。ドメインを確認し、€7以上の料金を請求する第三者サービスは避ける。データ盗難の恐れあり。
2. 申請前の準備とタイミング
- パスポートがETIAS申請時と旅行時で一致しないと搭乗拒否。 有効期限3ヶ月以上残す。
- 旅行72時間前までに申請(航空会社がチェック)。 早めに(チケット購入前)済ませる。
- 家族旅行時は全員分申請(子供も)。
3. 審査と拒否のリスク
- 犯罪歴、テロ関連、疫病リスクで拒否可能。過去のEU入国拒否歴も影響。
- 対策: 正直に回答。拒否時はビザ申請を検討。承認は入国保証ではないので、既存ルール(90/180日滞在制限)遵守。
4. EESとの連動と国境手続きの変化
- 2025年10月からEESで指紋・顔写真必須。混雑や遅延の可能性(特に初期段階)。
- 対策: 空港/港の混雑を避け、デジタル対応を確認。EESデータは3年保存され、プライバシー懸念あり(EUデータ保護法適用)。
5. その他の注意
- 滞在超過: EESで自動追跡されるので、90日超えでブラックリストのリスク。
- 健康・セキュリティ: 疫病流行時は追加制限。
- 更新情報: EU公式サイト(travel-europe.europa.eu)で最新を確認。 旅行保険にETIAS拒否対応を追加検討。
ETIASは旅行を効率化する一方、事前準備が鍵。2026年旅行予定者は今からパスポートチェックを。詳細はEU公式FAQを参照してください。
スポンサーリンク