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東浜巨のFA決断ニュース解説
ソフトバンクホークスの東浜巨投手(35歳)が、国内FA権を行使することを決断したことが2025年11月6日に明らかになった。今季で2023年から結んでいた3年契約が満了し、FA権は2023年に取得済み。近日中に日本野球機構(NPB)へ必要書類を提出する予定で、正式にFA宣言となる。東浜はチーム一筋13年で通算76勝を挙げた生え抜き右腕だが、今季は故障や調整の影響で1軍登板がわずか7試合(4勝2敗、防御率3.38)に留まった。決断の背景には、登板機会の少なさを挙げており、層の厚いソフトバンク投手陣の中でより多くのチャンスを求める意向が強いとされる。FAランクはBランクで、移籍先には人的補償が発生する可能性がある。ソフトバンクは残留交渉を進める方針だが、宣言後の他球団との交渉解禁は11月8日からで、動向が注目されている。
東浜巨の経歴
東浜巨(ひがしはま なお)は、1990年6月20日生まれの沖縄県うるま市出身。身長182cm、体重82kgの右投右打の投手。
- アマチュア時代: 沖縄尚学高校では3年春の甲子園で優勝を果たし、エースとして活躍。亜細亜大学進学後、通算22完封のリーグ新記録を樹立し、1年時と3年時に日米大学野球の日本代表に選出されるなど、大学球界のトップ投手として頭角を現した。
- プロ入り: 2012年ドラフト1位でソフトバンクに入団。ルーキーイヤーの2013年から1軍で活躍し始め、2015年にはリーグ最多勝利(14勝)を獲得。2017年以降は先発ローテーションの柱として貢献し、2022年5月11日には史上93人目のノーヒットノーランを達成した。
- 通算成績: プロ13年で通算76勝53敗、防御率3.41(2025年シーズン終了時点)。日本シリーズでも複数回優勝に貢献し、ソフトバンクの黄金時代を支えてきた。しかし、近年は肩や肘の故障が続き、登板数が減少傾向にある。
東浜の持ち味は、ストレートと変化球のコンビネーションによる安定した投球術。大学時代から磨かれた制球力が武器で、ソフトバンクの投手王国を象徴する存在だった。
今後の予想
東浜のFA行使は、投手陣の強化を急務とする複数球団の争奪戦を呼びそうだ。報道では、巨人やDeNAが獲得調査に動く可能性が指摘されており、特に投手力不足のセ・リーグ球団が積極的にアプローチする見込み。35歳という年齢を考慮しても、通算76勝の実績と経験は即戦力として魅力的で、複数年契約のオファーが予想される。一方、ソフトバンク残留の選択肢も残っており、球団側は年俸アップや登板機会の保証を提示して引き留めを図るだろう。Bランクのため補償が発生する点がネックだが、獲得球団にとっては東浜の加入でローテーションの安定化が期待できる。最終的な着地は交渉次第だが、登板機会を最優先とする東浜の意向から、他球団移籍の公算が高いとみられる。オフシーズンのFA市場全体で、日ハムの石井一成内野手ら他の選手の動向とも連動し、活発な動きになりそうだ。