立花孝志氏が2025年11月9日に逮捕された件に関する主張のまとめと、名誉毀損における真実相当性の刑事裁判の過去の例は以下の通りです。
1. 立花孝志氏の今回逮捕された件での主張まとめ
立花孝志氏は、2025年1月、自身のSNSなどで、元兵庫県議の竹内英明氏が「兵庫県警からの継続的な任意の取調べを受けていた」などという内容の情報を投稿・発信したことが、名誉毀損容疑での逮捕につながりました。
この件に関する立花氏の主張や関連情報は以下の通りです。
- 発信内容: 立花氏は、竹内氏が亡くなった後も、同氏が県警から取り調べを受けていたとする内容を投稿していました。
- 警察の否定: 兵庫県警は、立花氏の発信内容について「事実無根」であり、「真実と信じるに足りる相当な理由もなかった」と明確に否定しています。
- 立花氏側の対応: 警察は立花氏の認否を明らかにしていませんが、報道によると、立花氏は警察の取り調べには応じているとのことです。
- 告訴: 竹内氏の妻が、これらの投稿により精神的に追い詰められたとして、立花氏を名誉毀損容疑で刑事告訴していました。
- 立花氏の真意: 立花氏側がどのような根拠に基づき、どのような主張を行うかは今後の裁判で明らかになりますが、現時点では、県警側は「事実無根」としています。
2. 名誉毀損における真実相当性の刑事裁判の過去の例
名誉毀損罪(刑法第230条)は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損した場合に成立します。ただし、以下の要件を満たせば罰せられません(刑法第230条の2)。
- 公共の利害に関する事実に係ること
- その目的が専ら公益を図ることにあったこと
- 摘示した事実が真実であること(真実性の証明)。
また、真実性の証明ができなくても、「行為者がその事実を真実であると誤信し、かつ、その誤信したことについて相当の理由があるとき」(これを「真実相当性」と呼びます)は、故意がなく違法性が阻却され、無罪となる場合があります。
過去の重要な裁判例は以下の通りです。
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- 「月刊ペン」事件(最高裁判所決定 1982年):
- 宗教法人の会長の女性問題に関する記事が名誉毀損に問われた事件です。
- 最高裁は、報道内容が「公共の利害」に関わるかを広く判断し、また、その内容を真実と信じたことに確実な資料や根拠に照らして相当の理由があるかどうかが重要であるという判断基準を示しました。この事件では、十分な取材を尽くしていないとして有罪が確定しました。
- 北方ジャーナル事件(最高裁判所決定 1986年):
- 政治家のスキャンダルを扱った記事について、真実相当性が認められるかどうかが争われました。
- 裁判所は、取材源の秘匿の重要性も認めつつ、最終的には記事内容の真偽を判断しました。
- 公人の政治資金問題に関する裁判例:
- 政治家の資金問題を告発したケースでは、その告発が公共性・公益目的を満たし、かつ、真実であることを示す具体的な証拠や、真実と信じるに足る十分な根拠(真実相当性)があれば、名誉毀損は成立しないと判断される傾向にあります。
今回の立花氏のケースでは、亡くなった元県議が警察の取り調べを受けていたという情報が「事実無根」とされているため、立花氏側が「真実であると信じた相当の理由(確実な根拠)」を裁判で示せるかどうかが大きな焦点となります。立花たかし
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