NHK世論調査の概要(2025年11月10日発表)
NHKが11月上旬に実施した最新の全国電話世論調査(有効回答数約1,000人)によると、10月に発足した高市早苗内閣の支持率は66%(不支持率15%、無回答・その他19%)でした。これは、発足直後の内閣支持率として2001年以降の歴代内閣で3番目に高い水準(小泉内閣81%、鳩山内閣72%に次ぐ)です。調査直後にはウェブページのグラフで不支持率を「42%」と誤表示するミスが発生し、SNS上で疑惑の声が上がりましたが、NHKは即座に訂正し、正確な数値は15%であることを確認しています。このミスは単なる入力エラーと見られますが、メディアの信頼性に関する議論を呼んでいます。
一方、政党支持率は以下の通りで、無党派層が依然として多数を占めています。自民党の支持率は内閣支持率の高さに比べて低調で、発足時の歴代内閣と比較しても最低水準です。
政党支持率のまとめ
| 政党 | 支持率 (%) | 前回比(10月比) |
|---|---|---|
| 自民党 | 30.7 | +3.3 |
| 立憲民主党 | 7.2 | +1.6 |
| 日本維新の会 | 3.3 | +1.6 |
| 国民民主党 | 3.5 | -1.3 |
| 参政党 | 3.4 | -1.1 |
| 公明党 | 2.6 | -0.6 |
| れいわ新選組 | 0.9 | – |
| 共産党 | 2.6 | – |
| 保守党 | 0.7 | – |
| 社民党 | 0.2 | – |
| みらい党 | 0.2 | – |
| 無党派 | 43.7 | – |
(出典: NHK選挙WEB) 24 26
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分析・解説
高市内閣支持率の高さの背景
- ハネムーン期の好調: 内閣発足から約1ヶ月経過したタイミングですが、支持率は発足直後の他の調査(例: JNNの82%、朝日の68%)と比較しても安定しています。特に、若年層(18-39歳)の支持が急増しており、読売新聞の10月調査では同層で80%超え。女性首相としての新鮮さや、保守層・若者層の政策期待(例: 経済活性化、外国人対策の慎重論)が寄与しています。理由のトップは「政策に期待できる」(約41%)で、具体的に労働時間規制緩和(賛成64%)やコメ減産反対などの農業政策が支持を集めています。
- 不支持率の低さ: わずか15%と異例の低さ。不支持理由の多くは「政策の不明瞭さ」や「裏金問題の残滓」ですが、全体として「他に良い選択肢がない」という消極的支持が基盤。X(旧Twitter)上では「82%から66%に下落」との誤解が広がりましたが、これはJNN調査とNHK調査の混同で、実際は前月(石破内閣末期の42%)から24ポイント上昇です。
政党支持率の特徴
- 自民党の低調: 30.7%は発足時として過去最低クラス(安倍第2次37.8%、岸田41.2%など)。内閣支持の高さが自民党支持に直結していないのは、裏金スキャンダルの余波や、40代以下の支持率低迷(自民党支持16.1%)が原因。代わりに、無党派層(43.7%)が内閣支持を支えています。
- 野党の停滞: 立憲・維新が微増する一方、国民民主・参政党が下落。全体的に野党の支持基盤が細分化しており、高市内閣の「政策期待」が野党離れを加速させている可能性。Xの議論では、「国民民主オワコン」「参政党の外国人対策が裏目」との声が目立ちます。
- 全体傾向: 支持率の格差が拡大中。若年・保守層の高市支持が自民党の「個人人気依存」を示唆。一方、高齢層(60歳以上)の支持は76%と高いものの、全体の政党支持低迷は「政策不信」の表れです。
今後の予想
- 短期(年内): 支持率は60-70%台を維持の見込み。トランプ米大統領との首脳会談や税制改正(減税期待)が成功すれば、JNN調査並みの80%回復も。逆に、日中関係悪化(習近平主席関連)や衆院定数削減をめぐる国会論戦で不支持が20%超えれば下落リスク。解散・総選挙の可能性は低く(高市首相本人の否定的発言あり)、ハネムーン期を活かした政策推進が鍵。
- 中期(2026年春): 50-60%台へ低下が濃厚。労働時間緩和や外国人政策の実行で若年支持が定着すれば安定も、経済停滞(物価高継続)で無党派離反の恐れ。自民党支持率は35%前後まで回復可能だが、野党再編(維新・国民の連携)で競争激化。Xトレンドでは「総選挙ありえる」との楽観論が強いが、裏金問題の再燃が最大の不確定要素。
- 長期展望: 高市内閣の「女性首相プレミアム」が薄れれば、安倍・岸田期並みの支持率変動(40-60%)へ移行。成功のカギは若者政策の具体化で、失敗すれば石破内閣のような急落(51.6%)の再来も。
この調査は電話RDD方式のため、若年層の回答率が低く、実際の支持はさらに高い可能性があります。詳細はNHK選挙WEBで確認を。
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