独身の日(11/11)の概要

独身の日(中国語で「光棍節(こうこんせつ)」や「双11(ダブルイレブン)」とも呼ばれる)は、中国で毎年11月11日を中心に行われる一大ショッピングイベントです。もともとは独身者を祝う記念日でしたが、現在は世界最大級のEC(電子商取引)セールとして知られ、1日で数兆円規模の売上を記録します。公的祝日ではなく、セール期間は11月11日の24時間に限定される場合もありますが、近年は10月下旬から11月中旬までの数週間で予約販売やキャンペーンが展開されます。中国のEC大手アリババやJD.comが主導し、美容品、家電、食品などが人気カテゴリです。 0 3 19

歴史

  • 起源(1990年代): 1993年頃、中国の南京大学の学生たちが考案したとされます。11月11日は「1」が4つ並ぶ日付から、独身(シングル)を象徴し、恋人のいない若者たちが集まってパーティーや婚活イベントを楽しむ「独身者の日」として始まりました。中国語のスラング「光棍」(樹皮をむいた棒のように子孫を残せない独身者)をユーモラスに祝う文化が根付きました。当初は大学生中心の小さなイベントでしたが、1990年代後半から社会に広がりました。 1 3 7
  • 商業化の転機(2009年): アリババグループがこの日を「自分へのご褒美を買う日」と再定義し、ECサイト「淘宝商城」(現Tmall)で大規模セールを開始。初回の売上はわずか0.52億元(約8.8億円)でしたが、爆発的な人気を博し、以後毎年規模を拡大。2017年にはアリババ単独で1683億元(約2.8兆円)、2020年にはアリババとJD.comの2社で7700億元(約12兆円)を超えました。セールが定着したことで、独身者限定から一般国民の国民的イベントへ進化しました。 0 2 9
  • グローバル化: 2010年代以降、東南アジアや欧米に波及。日本企業も積極参入し、2023年のアリババの越境EC売上で日本が5年連続1位を獲得。売上規模はブラックフライデーやサイバーマンデーを上回る世界最大級です。 4 26

イベント

独身の日はセールがメインですが、以下のようなエンターテイメント要素が融合した「お祭り」として盛り上がります。

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  • カウントダウンイベント: 前夜(11月10日)からアリババのTmallなどでライブストリーミング中継を実施。著名人(例: ニコール・キッドマン、ベッカム夫妻、ケイティ・ペリー)を招き、視聴者数は1億5000万人超。売上実況をリアルタイムで配信し、興奮を煽ります。 9 15 20
  • セール内容: 最大20%OFF以上の割引、クーポン(例: 最大13,300円OFF)、紅包(お年玉のようなデジタルギフト)配布。対象商品は家電(ユニクロ、ヤーマン、パナソニック)、美容品(資生堂)、食品など多岐にわたり、2025年は11月11日17:00~20日16:59の10日間開催予定。プレセール(11月1日~10日)で予約可能。 19 21
  • その他の要素: ライブコマース(インフルエンサーが商品を紹介)、高級車や不動産の半額セールも過去にありました。中国政府の規制(スパム抑制)で近年は派手さを抑えていますが、2023年は消費低迷下でも過去最高級の商戦となりました。 15 34

日本ではポピュラー?

日本では「独身の日」は中国のイベントとしてニュースでよく取り上げられますが、一般的な祝日や国民的行事としてポピュラーとは言えません。認知度は中程度で、EC業界やビジネスパーソン、インバウンド関連者には馴染み深いものの、日常的に祝う人は少なく、11月11日を「ポッキーの日」や「鶏の照り焼きの日」とする日本独自の文化が優先されます。 28 33

一方、日本企業にとっては大きな商機。中国の「独身の日」セールで日本製品(化粧品、ベビー用品、家電)が大人気で、2016~2020年に越境EC売上1位を維持。ユニクロは2017年に2分で1億円、ヤーマンは2023年に美容機器部門2位を獲得し、1日で62億円超の売上例もあります。日本国内では影響を受け、一部小売(イオンなど)が11月11日セールを導入していますが、ブラックフライデーほど定着していません。 25 26 29 31

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