ニュース解説

2025年11月15日(土)、東京・有明アリーナで開催されたONE Championship(ONE)の「ONE 173」前日計量で、日本人キックボクサーの安保瑠輝也(30歳、MFL team CLUB es)が、ONEデビュー戦を予定していたフェザー級(70.3kg/155ポンド)マラット・グレゴリアン(アルメニア)戦の計量に失敗した。
ONEの計量ルールは厳格で、午前10時開始の3時間以内に以下の2点をクリアする必要がある:

  • ハイドレーションテスト:尿比重を1.0250以下に抑え、水分抜きの過度な減量を防ぐ(安保の結果:1.0292で失敗)。
  • 体重計量:155ポンド(70.3kg)以内に収める(安保の結果:155.4ポンド、約181g超過)。

安保は残り42分という遅刻気味で初登場し、両テストに失敗。再計量の機会を与えられたが、規定時間(13時)内に再登場せず、クリアできなかった。 これにより、予定通り70.3kg契約での試合出場は不可能となった。安保は自身のX(旧Twitter)で「体重計がバグってた」「詰みました」と投稿し、相手のグレゴリアンに「焼肉奢るから試合してください」とキャッチウェイト(体重差を認めた特別試合)の交渉を呼びかけた。 これに対し、グレゴリアンは「安保は感情的だった」とフェースオフで挑発しつつ、試合受諾の意向を示唆している。

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分析まとめ

  • 原因の推測:安保は17年のキャリアで初の計量失敗と謝罪しており、X投稿で「いつもと違う減量方法にアジャストできんかった」と明かした。 ONEのハイドレーションテストはUFCなどで導入された健康重視ルールで、水抜きを制限するため、従来のK-1やRIZIN式の急激な体重落としが通用しにくい。安保の減量アプローチがONEの新基準に適応できず、尿の濃度(水分不足)と体重の微差が重なった形だ。 遅刻も減量の体調不良を示唆し、精神的プレッシャー(ONEデビュー+タイトル挑戦の集大成戦)が影響した可能性が高い。
  • 影響の深刻さ:計量失敗はプロ意識の欠如としてX上で批判が殺到(例:「恥ずかしい」「プロ意識無さすぎ」)。 特に、安保は過去に他選手の計量失敗を「クソミソカス」と嘲笑した過去があり、ブーメラン批判を招いている。 健康面ではハイドレーション失敗が脱水症状のリスクを示し、強行試合は選手生命を脅かす。ONEのルール上、キャッチウェイトでも体重超過分(181g)の罰金やタイトルマッチの無効化が発生する可能性がある。
  • ポジティブな側面:グレゴリアンの受諾姿勢は「漢の判断」と評価され、試合のエンタメ性を高める。安保のユーモアある謝罪投稿は、逆にファンの共感を一部呼び、「メンタル戦の格闘技らしい」との声も。

今後の予想

  • 直近(11月16日大会):キャッチウェイトでの開催が濃厚(70.5kg前後か)。グレゴリアンの了承を得て、U-NEXT PPVで予定通り行われる可能性80%以上。安保の超過が微差のため、相手有利だが、安保の打撃精度(K-1王者時代の実績)とメンタル回復力が鍵。予想:安保の判定勝利(60%)。失敗がモチベーションに転じ、感情的なパフォーマンスで逆転するシナリオ。
  • 長期:失敗がトラウマ化せず、ONE適応減量を強化すれば、2026年早期に再挑戦(タイトル戦)。RIZIN復帰の選択肢も残るが、ONEのグローバル露出を活かし、国際キャリアを優先か。批判をバネに「減量の達人」として成長すれば、ファン離れを防ぎ、むしろ人気向上のチャンス。 最悪、拒否で試合キャンセルなら、精神的ダメージ大で一時休養のリスクあり。
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