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2025年11月26日、北海道日本ハムファイターズから国内FA権を行使した外野手・松本剛投手(32)が、読売ジャイアンツと契約合意に達し、移籍が正式決定しました。契約内容は2年総額2億5000万円と報じられています。松本は日本ハムで12年間プレーし、2022年にパ・リーグ首位打者(打率.327、打点68)を獲得した俊足巧打のベテラン外野手。巨人では背番号9を着用し、中軸打者・リードオフマンとして期待されています。移籍の背景には、松本の「セ・リーグ挑戦への意欲」と、巨人側の外野の層の薄さがあります。

このFA移籍に伴い、日本ハムは補償を選択する必要がありましたが、12月8日、球団は金銭補償のみを選択し、人的補償を求めない方針を固めました。松本の今季推定年俸1億1000万円は日本ハム内でBランク(年俸4~10位相当)に該当するため、巨人から年俸の60%(約6600万円)の金銭補償を受け取ることになります。人的補償を選択した場合、年俸の40%(約4400万円)+巨人プロテクト外の選手1人(巨人からリスト受領済み)となっていましたが、これを辞退した形です。

解説:なぜ日本ハムは人的補償を選ばなかったのか?

日本ハムの決定は、球団の長期的なチーム編成方針と現実的なロスター状況を反映したものです。過去の事例を振り返りつつ、理由を以下にまとめます。

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1. 巨人のプロテクトリストの質が低く、魅力的な選手がいなかった

  • 巨人から12月2日に届いたプロテクト名簿(28人+外国人・直近ドラフト選手を除く獲得可能リスト)には、日本ハムが求める「即戦力」となる選手がほとんど含まれていませんでした。メディア報道では、潜在能力の高い若手投手(例: 菊地大稀投手、堀田賢慎投手)や野手(例: 山瀬慎之助捕手)が候補として挙がっていましたが、実際のリストは「殻を破れていない中堅・若手中心」で、巨人側の「捨て駒」に近い印象だったようです。
  • 日本ハム球団幹部は当初「検討する」と述べていましたが、リスト確認後、人的補償のメリットが薄いと判断。強引に選手を獲得しても、チームのバランスを崩すリスクを避けたとみられます。

2. 球団の補強方針:金銭を優先し、柔軟なFA・トレード・ドラフトに充てる

  • 日本ハムは新庄剛志監督体制下で、若手中心の「ダイナミック」なチーム作りを推進中。2025年オフには西川遥輝内野手の電撃復帰(ノンテンダーFA)や、阪神から島本浩也投手(左リリーフ)との交換トレードを成立させており、人的補償で「中途半端な選手」を加えるより、6600万円の資金を活用した積極補強を優先しました。
  • 例えば、この資金で海外FAや国内トレードのターゲットを広げたり、2026年ドラフトのスカウト強化に回す可能性が高いです。新庄監督は「スペシャルウルトラダイナミック」な左腕補強を公言しており、人的補償の「不確実性」を避け、確実な財源確保を選んだ形です。

3. 歴史的な選択傾向:人的補償は「稀」で、最近は金銭重視

  • 日本ハムはFA権行使選手の補償で、過去に人的補償を選択したのはわずか3回(1995年: 河野博文内野手獲得、2009年: 藤井鴨外野手、2010年: 別の事例)。特に巨人相手では、30年前の1回のみで、近年は金銭補償を基本としています。これは「選手の移籍を尊重し、円満退団を促す」球団文化の表れでもあります。
  • 松本自身が「チームに迷惑をかけたくない」との意向を示していたことも、球団の判断を後押し。人的補償を強要すれば、巨人との関係悪化や、松本のモチベーション低下を招く恐れがありました。

過去の日本ハムFA補償事例(簡易表)

FA移籍選手補償選択獲得選手(人的の場合)備考
1995河野博文(巨人へ)人的河野博文(補償として獲得?待機)稀な人的選択
2009藤井鴨(他球団へ)人的Cランクで人的のみ
2010人的詳細非公開
2025松本剛(巨人へ)金銭Bランク、6600万円

今後の影響

  • 日本ハム側:6600万円の補填で財政的に余裕が生まれ、オフの補強幅が広がります。ただし、外野の穴(松本の打率・出塁率貢献)が残るため、ドラフトやトレードで即戦力外野手を狙うでしょう。新庄監督の「エンタメ重視」スタイルが、資金を活かした大胆な動きに繋がる可能性大。
  • 巨人側:人的補償のリスクを回避でき、松本の加入を純粋に喜べます。阿部慎之助監督は「みんなにいい刺激になる」と歓迎。セ・リーグの強豪として、中軸強化がリーグ戦・CSで効果を発揮するかも。
  • 全体:この選択は「選手のFA行使を尊重する」NPBの潮流を象徴。松本の巨人での活躍(例: 打率.300超え)が、両球団のモチベーションを高めるでしょう。最終公示は近日中予定です。
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