吉村麻子選手(32歳)の経歴
吉村麻子(本名:吉村紗也香、1992年1月30日生まれ、北海道北見市常呂町出身)は、日本のカーリング女子チーム「フォルティウス」のスキップ(司令塔)を務める選手です。身長162cm、社会医療法人柏葉会所属。小学4年生からカーリングを始め、母として育児と競技を両立しながら活躍中。2023年に長男を出産し、産後わずか2カ月で氷上復帰を果たすなど、逆境をバネに成長を続けています。以下に主な経歴を時系列でまとめます。
初期キャリア(ジュニア時代)
- 2006年頃: 小学4年生でカーリングをスタート。地元・常呂町の環境を活かし、早い段階で才能を発揮。
- 2009年: 常呂高等学校在学中、バレーボール部に所属しつつカーリングチーム「常呂高等学校WINS」で活動。第4回全国高等学校カーリング選手権大会で優勝。バンクーバー五輪代表決定戦チャレンジマッチでチーム長野に1勝2敗で敗退。日本カーリング選手権で準優勝(チーム青森に敗北)。
- 2010年: 日本カーリング選手権で2年連続準優勝。
大学・プロ時代と国際大会
- 札幌国際大学在学中(2010年代前半): 世界ジュニアカーリング選手権で銅メダル獲得(日本女子初のメダル)。大学卒業後、北海道銀行フォルティウスに入団し、スキップとしてチームを牽引。
- 2014年: ソチ五輪予選を経験(出場は逃す)。
- 2016-2017年: カーリングGrand Slam of Curlingのプロダクションメンバーに選出。
- 2018-2019年: オークビル・フォール・クラシック優勝。グランドスラム(ナショナル、プレーヤーズ選手権)出場を果たし、国際的に注目を集める。日本カーリング選手権で複数回の入賞。
- 2020年: 結婚。家庭と競技の両立を開始。
近年の活躍と母としての挑戦
- 2023年: 第1子(長男)妊娠を発表。出産後、ミラノ・コルティナ五輪(2026年)復帰を宣言。産後のつわりで練習中断を余儀なくされるが、チームのサポートで復帰。
- 2025年:
- 2月: 第42回日本カーリング選手権大会で金メダル(フォルティウス)。
- 3月: 世界女子カーリング選手権大会(韓国・議政府)で9位。チーム存続危機を乗り越え、オリンピック出場権争いに貢献。
- 9月: 産後2カ月で氷上復帰。日本代表決定戦で活躍。
吉村選手のスタイルは、精密なショットとチームの統率力に優れ、「母になって強くなった」と自ら語るメンタルタフネスが特徴。フォルティウス結成メンバーとして、カーリング界の発展にも寄与しています。
最新ニュース:チェコに勝利で開幕4連勝
2025年12月7日(現地時間、日本時間8日)、ミラノ・コルティナ五輪最終予選の女子1次リーグ第4戦で、日本代表フォルティウスがチェコに10-3で快勝し、無傷の4連勝を達成しました。 0 1 2 4 7 第8エンド終了時点で7点リード(10-3)となり、チェコがコンシード(降参)。吉村スキップは第1エンドで2点先制するなど、序盤からリードを保ち、的確なヒットロールやドローショットで複数得点を重ねました。特に第6エンドでは、吉村のラストショットが決まり2点を追加する好プレーを見せ、チームを鼓舞。スイープ陣(近江谷杏菜、小野寺佳歩、小谷優奈ら)のサポートも光り、盤石の試合運びで首位をキープしています。 0 1
これまでの対戦成績:アメリカ、ドイツ、オーストラリアに勝利し、4戦全勝(勝ち点8)。世界ランキング5位の日本に対し、15位のチェコを圧倒したこの勝利は、五輪出場への大きな一歩です。
今後の展開
現在(2025年12月9日)、予選は総当たり1次リーグ(8チーム、7戦)で進行中。上位2チームが五輪出場権を獲得します。日本は4勝0敗で首位独走ですが、残り3試合(トルコ、スウェーデン、エストニア)が待ち受けます。吉村選手は「私のショットで勝負が決まる。必ずオリンピアンになって帰ってくる」と意気込みを語っており、母子での挑戦が注目されています。
短期的な予定(2025年末)
- 12月9日(日本時間): 次戦 vs トルコ(世界12位)。午前7時開始予定、NHKで放送。トルコは2勝2敗で中位に位置し、油断できない相手。
- 12月10日頃: 残り2試合。連勝を維持できれば、出場権ほぼ確定。予選全体は12月10日終了予定。
中長期的な展望(2026年以降)
- 2026年2月: ミラノ・コルティナ五輪出場(女子カーリング)。出場枠10中、予選突破で確保可能。メダル争いへ、吉村の最終投がチームの命運を握る。8大会連続五輪出場が現実味を帯びています。
- 2026-2027年: 五輪後、世界選手権やグランドスラム再挑戦。1歳の息子との両立を続け、チーム存続と次世代育成に注力。カーリングの「息の長さ」を活かし、30代後半まで活躍の可能性大。
- 課題と期待: 国際的な競争激化(カナダ、スウェーデン勢)の中で、産後復帰のフィジカル調整が鍵。成功すれば、母アスリートのロールモデルとして注目を集め、日本カーリング界の人気向上に寄与するでしょう。チェコ戦の勢いを活かせば、五輪切符は目前です。