PL-15(霹靂-15)ミサイル 最新公開情報まとめ(2025年12月時点)
| 項目 | 公式/信頼できる公開情報 | 実戦性能(推定値・専門家分析) | 備考・最新動向 |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | 霹靂-15(PL-15) 出口型:PL-15E | 中国最優先の第4.5世代空対空ミサイル | |
| 射程 | 輸出型(PL-15E):145km(公式) 国内型:200–250km(珠海航展2022・2024で公開) | 高高度・マッハ4発射時:300km超(ロフテッド軌道) | 米軍AIM-120D(約180km)を完全に上回る |
| 推進方式 | デュアルパルス・ソリッドロケットモーター | 2段加速(第1パルスでマッハ4→慣性飛行→終末で第2パルス再点火) | 終末段階でもマッハ4以上を維持 → 回避極めて困難 |
| 誘導方式 | ・中間:慣性+データリンク(双方向) ・終末:最新型AESAシーカー(アクティブ電子走査) | シーカー捕捉距離:約50–70km LOAL(ロックオン・アフター・ローンチ)対応 | 発射後に目標を割り当て可能(J-20の「分散型殺傷」戦術に最適) |
| 速度 | 最大マッハ5以上 | AIM-120D(マッハ4)より明らかに速い | |
| 全長/直径/重量 | 約3.99m/Φ203mm/約210kg(PL-15E) | 国内型は若干長い(約4.1m) | J-20の主兵装倉に4発、J-16は12発搭載可能 |
| 弾頭 | 高爆 fragmentation 弾頭(約20–25kg) | ||
| 対応機種 | J-20、J-16、J-15(艦載機)、J-10C、将来的にJ-35 | J-15D(電子戦型)にも搭載実績あり | 2025年12月のレーダー照射事件で使用したJ-15が実際に搭載していた可能性大 |
| 実戦配備状況 | 2018年頃から国内部隊配備完了 2021年から輸出開始(UAE、パキスタン等) | 現在、中国空軍・海軍航空兵の主力BVRミサイル | |
| 最新改良型(2024-2025) | PL-15改(内部名称PL-17相当?) ・射程300–400km級(超長射程型) ・折り畳み翼+新型モーター | 2024年珠海航展でモックアップ展示(公式名称は伏せられた) | 米軍が懸念する「AIM-260対抗型」 |
なぜPL-15は脅威なのか(技術的ポイント)
- 射程が長すぎる
- 高空発射+ロフテッド軌道で300km超 → 米軍の「F-35が先に撃てる」は完全に崩壊。
- 自衛隊F-15J(AIM-120 AMRAAM使用)の射程を1.5–2倍上回る。
- デュアルパルス+終末マッハ4以上
- 終盤で再加速するため、目標機が回避行動を取っても逃げ切れない。
- 米軍の試算では迎撃確率がAIM-120Dの約半分(特に高速目標に対して)。
- AESAシーカー+双方向データリンク
- ECM(電子妨害)耐性が極めて高い。
- J-20が6発発射して電波を止めても、ミサイル同士でネットワークを構築し続ける。
- J-20+PL-15の組み合わせは「先撃ち勝ち」
- ステルス機がレーダー探知距離外から発射 → 相手は撃たれるまで気づかない。
自衛隊・米軍の対応状況(2025年現在)
- 自衛隊:F-35A/BにAIM-120D(射程180km級)を急ぎ搭載中だが、PL-15にはまだ届かない。
- 米軍:AIM-260 JATM(射程200km超)を2026年以降実戦配備予定だが、PL-15の最新型には追いついていない。
- 日本はJNAAM(日英共同開発・AESA+デュアルパルス)を2030年代初頭に予定。
結論
PL-15(特に国内型・最新改)は現時点で世界最強クラスの空対空ミサイルであり、2025年12月6日の事件でJ-15が自衛隊機を52kmで火器管制レーダーでロックオンしたということは、
→ 「いつでもPL-15で撃墜可能だった」
という極めて現実的な脅威を示した事案です。
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