山口敬之氏の反論の概要

山口敬之氏（元TBSワシントン支局長、ジャーナリスト）は、2015年に伊藤詩織さんから性的暴行被害を受けたとして刑事告訴され、民事訴訟を起こされた事件について、一貫して「同意のない性行為はなかった」と主張しています。刑事事件では不起訴処分（証拠不十分）となり、民事事件では東京地裁（2019年）で伊藤さん側に330万円の賠償を命じられる敗訴判決を受けましたが、山口氏は上告・控訴を繰り返し、最高裁（2022年）で上告棄却により敗訴が確定しました。しかし、判決の一部で伊藤さんの「デートレイプドラッグ使用」主張が虚偽と認定され、山口氏側が55万円の勝訴部分を得ています。以降、山口氏は書籍出版、記者会見、代理人コメントを通じて反論を続けています。以下に、主な反論ポイントを時系列でまとめます。

1. 事件当日の状況に関する反論（2015年事件直後〜2019年裁判中）

• 同意の存在: 山口氏は、伊藤さんから「積極的に誘われた」と主張。事件当夜（2015年4月13日）、伊藤さんが山口氏のホテル部屋を訪れ、アルコールを飲みながら親密な会話を交わした後、伊藤さん側からキスや性行為への誘いがなされたとし、「なだめるような気持ちで応じた」と述べています。伊藤さんの「抵抗したのに強引に犯された」という証言に対し、「そんな様子は一切なかった。むしろ伊藤さんが主導的だった」と反論。 7 9
• 薬物使用の否定: 伊藤さんが主張する「睡眠薬やデートレイプドラッグを盛られた」点について、山口氏は「そんな薬は一切使っていない。伊藤さんの記憶の混乱や虚偽」と否定。裁判では、伊藤さんの病院カルテの時間帯（性行為の申告時間）が曖昧だった点を突き、「伊藤さんが混乱して事実と異なる申告をした」と主張しました。高裁判決では、この薬物使用の表現が「真実と認められない」として名誉毀損が認定され、山口氏の勝訴部分となりました。 8 18

2. 伊藤さんの行動と一貫性の欠如に関する反論（2019年判決後）

• 被害者像の不自然さ: 事件直後の伊藤さんのメールや行動（山口氏を気遣う内容のメッセージ送信）を挙げ、「本当の被害者が加害者を気遣うのは社会常識ではありえない。むしろ伊藤さんが自分を守るための演技」と指摘。代理人を通じて、「被害後に加害者を気遣う言葉は不自然」と主張しました。 10
• 「嘘つき」発言の応酬: 2019年12月の判決後、山口氏が記者会見で伊藤さんを「嘘つきの常習犯」と呼んだのに対し、伊藤さんは「私の話には一貫性がある」と反論。山口氏はこれを「月経のタイミングや記憶の曖昧さを無視した主張」とし、X（旧Twitter）上で性被害者の証言を引用して「本物の被害者は笑顔でTV出演しない」と伊藤さんを間接的に批判しています。この発言は、X上で「卑劣」との反発を呼びましたが、山口氏は「真実を追求しただけ」と正当化。 5 27

3. 判決の不満と司法制度批判（2022年最高裁判決後）

• 証拠評価の偏り: 最高裁で敗訴確定後、代理人を通じて「同意なく性行為に及んだ事実はなく、虚偽主張に対し一貫して争ってきたが認められず残念。多くの虚偽主張に関して医学的客観証拠の十分な検討がなされず、民事裁判制度の限界を感じる」とコメント。薬物使用の虚偽認定を「評価できる」としつつ、全体の判決を「不十分」と批判。 8
• 社会的影響: 山口氏は書籍『大罪 ～伊藤詩織「黒い箱」の真実～』（2019年）で詳細を公表し、保守系メディアで「伊藤さんの主張は#MeTooの政治利用」と位置づけ。2025年の伊藤さんドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』公開時も、間接的に「嘘の継続」と関連づける声がX上で見られますが、山口氏本人の最近の発言は確認されていません。 6 19

最近の動向（2025年現在）

• 2025年12月の映画公開をめぐる論争では、山口氏の名前がX上で頻出（例: 「一番悪いのは山口敬之」ハッシュタグ）していますが、本人からの新反論はなく、過去の主張が引用される形です。X検索では、山口氏の公式アカウント（@yamaguchinori）から直接の関連投稿が見つかりませんでした。一方、支持者側は「刑事不起訴が真実の証明」との声を上げ、伊藤さんの「嘘つき」イメージを強調。 21 27
• 関連訴訟: 山口氏は伊藤さん支援者の有田芳生氏を名誉毀損で訴えましたが、2020年に敗訴確定（最高裁）。これも「伊藤さん攻撃の継続」と批判されました。 2

山口氏の反論は、主に「同意の存在」と「伊藤さんの主張の虚偽性」に集中しており、司法的に一部認められたものの、全体として社会的には#MeToo運動の文脈で批判が強いです。詳細は各報道や書籍で確認を。