ニュースの事実確認
米経済誌フォーブスは2025年12月10日(現地時間)に「世界で最もパワフルな女性(The World’s Most Powerful Women)2025」のリストを発表し、日本の高市早苗首相を3位に選出しました。これは事実です。
- 上位ランキング:
1位:ウルスラ・フォン・デア・ライエン(EU欧州委員長、4年連続)
2位:クリスティーヌ・ラガルド(欧州中央銀行総裁)
3位:高市早苗(日本首相)
フォーブスは高市首相を「日本初の女性首相として、GDP約4.2兆ドルの世界第4位の経済大国を率いる」と評価。半導体安全保障、防衛再編、人口減少などの課題に直面する中で就任した点を強調し、「激動の時代における不屈の精神の象徴」と称賛しています。一方で、保守的な政策(例: 内閣の女性比率が低い点)を「ジェンダー視点で複雑」と指摘する声もあります。
産経新聞の記事(2025年12月11日掲載)はこの内容を正確に報じており、誤報ではありません。日本メディア(読売、朝日、日経、毎日など)も同様に伝えています。
背景と分析
高市早苗氏は2025年10月に自民党総裁選で勝利し、日本初の女性首相に就任(自民党・日本維新の会連立政権)。フォーブスのランキング基準は以下の4つです:
- お金(経済規模)
- メディア露出
- 影響力(インパクト)
- 影響範囲(spheres of influence)
政治指導者ではGDPや人口を重視するため、日本のような大国を率いる首相は高位になりやすいです。高市氏の3位は、日本が世界第4位の経済大国であることと、女性初の首相という歴史的意義が大きく寄与したと見られます。過去のリストでも、ドイツのメルケル元首相などが上位常連でした。
ただし、フォーブス自身が高市氏を「ハードライン保守派」と描写し、マーガレット・サッチャー(英国元首相)をロールモデルとする点を紹介。内閣に女性を2人しか任命していない点を「伝統を強化する」と批判的に触れています。これは、ジェンダー平等の観点から複雑な評価を示唆しています。
今後の展開の予想
- 国内影響:
- 内閣支持率は就任後高水準(6割超)を維持中。女性初の首相という象徴性がプラスに働き、物価高対策や経済政策で即応性をアピールできれば、さらに安定する可能性。
- 一方、少数与党(自維連立)なので、野党の協力が不可欠。スパイ防止法制定や防衛力強化などの保守色強い政策で、党内・連立内の摩擦が増えるリスクあり。
- 国際影響:
- 日米同盟強化を重視する姿勢から、トランプ政権(2025年発足)と良好な関係構築が期待される。防衛費増額や半導体供給網の安定化で、日米協力が進む可能性。
- 中国との緊張:台湾有事に関する首相答弁が波紋を呼び、日中関係が冷え込んでいる。フォーブスの高評価が外交カードになる一方、保守派イメージがアジア近隣国との摩擦を助長する恐れ。
- グローバルな女性リーダーシップの象徴として、国際会議(G7など)で注目度向上。ジェンダー平等推進のプレッシャーも増す。
- 全体の展望:
- 2025年は就任直後で「ハネムーン期間」だが、経済停滞や地政学リスク(台湾・北朝鮮)が本格化すれば支持率変動の試金石に。
- フォーブスリストは毎年変動するので、2026年以降の順位は政策実績次第。女性首相としての「ガラスの天井突破」が長期的に日本社会のジェンダー観を変えるきっかけになるかも。
このニュースは、日本政治の歴史的転換点を示す一方で、高市政権の保守路線が国内外でどう受け止められるかのテストケースでもあります。引き続き注目です。