フィンランド「つり目事件」の概要と日本人の反応

2025年11月末頃に始まったこの事件は、フィンランドで起きた一連の人種差別関連の騒動です。主な経緯は以下の通り:

  • 発端: 2025年のミス・フィンランドに選ばれたサラ・ザフチェ氏が、過去のSNS写真で指で目尻を引っ張る「つり目」ポーズをし、「中国人と食事中」などのキャプションを付けていたことが発掘・拡散されました。このジェスチャーは、欧米圏でアジア人(特に東アジア人)の容姿を嘲笑する差別的な表現として広く認識されています。
  • 対応: ミス・フィンランド協会は「人種差別を容認しない」として、12月11日にザフチェ氏の称号を剥奪。彼女本人も謝罪しましたが、批判は収まりませんでした。
  • 拡大: これに反発したフィンランドの与党「フィン人党」(右派・反移民政策を掲げる)の国会議員ら(ユホ・エーロラ氏など複数)が、ザフチェ氏を擁護する形で同じ「つり目」ポーズの写真や動画をSNSに投稿。連帯を示す意図でしたが、さらに炎上を招きました。
  • フィンランド側の反応: ペッテリ・オルポ首相はこれを「幼稚」「品位に反する」と非難。与党の他の党派も批判し、議員の処分を検討中。駐日フィンランド大使館も声明で「人種差別は社会の課題」「個々の政治家の発言は政府の見解ではない」と距離を置きました。

このジェスチャーは、歴史的にアジア人をステレオタイプ化・嘲笑するもので、欧米では典型的な人種差別(anti-Asian racism)とみなされます。過去にも似た騒動(例: スウォッチの広告など)が繰り返されています。

なぜ日本人が怒っているのか?

日本人の反応はSNS(特にX)で強く、失望・怒り・幻滅の声が多数見られます。主な理由は以下の点です:

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  1. 明確な人種差別行為だから:
  • 「つり目」ポーズは、アジア人の身体的特徴(エピカンサス折り目など)を強調・嘲笑するもので、日本人を含む東アジア人を直接的に侮辱するもの。公人(ミス・コンテスト優勝者や国会議員)が平気でやることにショックを受けています。
  • 特に議員らの投稿は「ジョーク」「過剰反応への抗議」と正当化されやすく、これが「差別を軽視している」と感じさせる要因となっています。
  1. フィンランドのイメージとのギャップ:
  • フィンランドは「幸福度が高い」「人権先進国」「教育・福祉のモデル」「ムーミンやサウナの平和的な国」として日本で人気。毎年20万人以上の日本人が観光します。
  • そんな国で与党議員が集団的に差別行為を繰り返すことに「裏切り」「幻滅」を感じる人が多い。「北欧の理想像が崩れた」「人権を語る資格がない」との声が目立ちます。
  1. アジア人全体への影響:
  • 日本人だけでなく、中国人・韓国人など東アジア人全体を対象とした差別。在日アジア人や海外在住の日本人からは「日常的にこんなジェスチャーをされる可能性がある」との懸念も。
  • オンライン署名(フィンランド在住日本人主導)で7千筆以上集まり、アジア人差別の調査・改善を求める動きがあります。
  1. 対応の不十分さへの不満:
  • 初期のフィンランド側対応が遅く、大使館の声明も「謝罪なし」で批判を招きました。一部で「フィンランド旅行ボイコット」「フィンエアー利用拒否」の呼びかけも。
  • ただし、首相の非難や処分検討で沈静化の兆しあり。日本人の反応は過熱気味ですが、根底には「差別を許さない」という正当な怒りがあります。

この事件は、フィンランド国内の人種差別問題(特に右派政党の影響)を浮き彫りにし、国際的に注目されています。日本人の怒りは「単なる文化違い」ではなく、明確な差別に対する拒絶反応です。フィンランド側が適切に謝罪・対応すれば、関係修復可能でしょう。

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