欧州（特に北欧）におけるアジア人差別に対する「認識の解像度の低さ」と「無邪気な加害性」を的確に突いています。

この問題を「幼稚な遊び」と捉えるフィンランド人と、「差別」と捉える日本人（アジア人）との間にある深い断絶について、考察・分析します。

1. 考察：なぜ彼らは「差別」ではなく「遊び」と主張するのか

• 悪意の有無を免罪符にする文化
  フィンランドを含む北欧諸国は、教育水準が高く「平等」を重んじる自負があります。そのため、「自分たちが邪悪な意図（憎悪）を持っていない以上、それは差別（Racism）ではなく、単なる冗談や無知による『幼稚な振る舞い』である」という論理に逃げ込みやすい傾向があります。
• 「ステレオタイプ」への無自覚
  彼らにとって、目を細める行為は「漫画のキャラクターの真似」と同程度の認識であり、それが歴史的にアジア人を蔑視し、人間性を剥奪するために使われてきた記号であるという歴史的背景が共有されていません。
• マジョリティの特権
  「差別かどうか」を判定する権利が、常に多数派（白人側）にあると無意識に信じています。被害側が「差別だ」と言っても、「いや、これは遊びだから君の過剰反応だ」と、被害者の感情を否定（ガスライティング）する構造が発生しています。

2. 分析：レスバ（議論）が噛み合わない理由

フィンランド人と議論しても「みんなそんな感じ」だったのは、「差別の定義」のズレが原因です。

• 日本側の定義： 相手の属性（人種）を揶揄・戯画化する行為そのものが、尊厳を傷つける差別である。
• フィンランド側の定義： 相手を本気で攻撃・排除しようとする強い憎悪がない限り、それは「不適切なジョーク」や「幼稚な悪ふざけ」に過ぎない。

この「意図（Intent）」と「影響（Impact）」のどちらを重視するかという対立において、彼らは自身の良心を守るために「意図がなかった＝差別ではない」という立場を崩しません。

3. 今後の展開と予測

1. 国際的な「キャンセル」による外圧の強化
   フィンランド国内の議論では平行線が続きますが、SNSを通じて国際的な批判（特に米国のリベラル層や他のアジア圏からの批判）が強まることで、企業や公的機関が「幼稚な遊び」という言い訳を許さないフェーズに移行します。
2. 教育課程への組み込み
   「無知による差別」が国のブランドを傷つけることを危惧し、学校教育の中で「マイクロアグレッション（無自覚な攻撃）」の一例として、アジア人へのジェスチャーが明文化されていく可能性があります。
3. 内なる反発と右傾化
   一方で、「何でも差別と言われるのはポリコレの暴走だ」と感じる層による反発も予想されます。「自分たちの文化やジョークが外部（アジア人）によって制限されること」への不満が、保守的な層の間で強まるかもしれません。

結論

このポスト主が経験した「お遊び感覚」という壁は、「差別を憎悪の問題としてしか捉えていない未熟さ」の表れです。今後の解決には、彼らの善意に訴えるのではなく、「その行為が国際社会においてどれほどコスト（代償）の高い、知性の低い行為と見なされるか」という社会的リスクを突きつけていく段階に入っています。

フィンランドの現状や差別問題に関する公式な見解については、フィンランド人権センター（Human Rights Centre） などのリソースを確認することで、現地の法的な枠組みや啓発状況を把握できます。